第11話 ノブナガとレベル上げ
なんやかんやで仲間が増えた私たちは、、、どうするんだっけ?
「オプタテシケ山に行く。まあ今でいう十勝岳だ」
あ、そうだった。そこそこ。そこに行くんだった。
私たちは十勝岳を目指しながら旅を続けていた。
「てかノブナガ、その十勝岳には何があるの?」
「さあな。なんかすごいものがあるってアイヌの連中が言ってた」
「ええ!?じゃあもし何もなかったらどうするのさ!」
「ん?アイヌの連中を皆殺しにするだけだが?」
ノブナガはあっけらかんとした顔で答えた。あ、これ本気だ。
お願い、十勝岳!何かあって!突然だけどあんたにアイヌたちの命がかかってるよ!
私たちは冬の北海道を野営しながら進む。もちろん道中では強力な獣たちも襲ってくる。
それをみんなで対応している。
ちなみに今のパーティはこんな感じ
キャラネーム ノブナガ
レベル 108
職業 傾奇者
キャラネーム ラン
レベル 45
職業 陰陽師
式神 トリ(火之迦具土神)
トリ(火之迦具土神)
レベル 682
スキル 地獄の炎 復活の炎 不滅の炎 破断の炎 識の炎 終末の炎
NPCネーム ウヌカル
レベル 36
職業 巫女
NPCネーム タライ
レベル 82
職業 重戦士
マカミ(大口真神)
レベル 562
スキル 氷結の加護 氷結の導き 氷結の癒し 氷結の洗礼 氷結の理
トリとマカミ強すぎじゃね?でもまあ式神だからいいんだけど。そんなことよりノブナガのレベル上がり過ぎなんだけど!
「ちょっとノブナガ!なんでそんな急激にレベルアップしてる!?」
「あん?逆になんでお前はその程度しかレベルアップしてないんだ?」
「いやこれ普通だから!ウヌちゃんも言ってやって!」
「うん!これが普通なの!」
「いや普通だからダメなんだろーが。なんで普通で天下取れると思ってるの?お前ら。え、死にたいの?」
「いや、死にたくない!っていうかその異常スピードレベル上げ方を教えろって言ってるんだよぉ!」
「工夫をしろ。俺はバフで敵の力を上げまくって死ぬ寸前まで強くなったところをトドメだけさして大量の経験値を得ている。だがこれは傾奇者の特性をうまく生かしたものだ。お前らはまた違うだろう。お前は陰陽師の特性を生かした方法を見つけろ」
「それを教えてよ!」
「自分で考えろ」
「それがめんどくせぇから言ってるんですよ!さっさと教えろください!」
「ウヌカルにも教えろください!」
「はぁ。じゃあまずは―」
こうしてノブナガのレベル上げ講座が始まった。
「まずはラン、お前だ。お前の職業は陰陽師。普通に獣を倒してレベルを上げるより手っ取り早くレベルを上げる方法がある。式神の数とレベル、そして何より式神との信頼度がレベルアップに大きく作用する。お前トリとの信頼度めっちゃ低いだろ」
「どうすればいいのさ!」
「さっさとあのトリを支配下に置けよ」
「無理だよ~。アイツ全然私の言うこと聞かないもん!」
「それはお前が弱いからだろ」
「いや、ふりだしに戻ったじゃん!」
「獣倒してレベル上げするのが面倒ならトリをなんとかしろよ」
「えぇ~」
「ウヌカルは?」
「巫女は回復したダメージ量が経験値として入る。そしてそれは獣や妖怪相手でも変わらない。だから俺が獣を瀕死にさせてやるからそれを回復しろ。それを繰り返したらあっという間にレベルアップするだろ。ついてこい」
「いくのー!」
え、二人して行っちゃったんだけど。
ん?私は?私は一人?マジ?
どうやら私は孤独にレベルアップしないといけないらしい。
とりあえず私はトリを呼び出してみる。
『なんだ、小娘!』
なんかもうすでにちょっと機嫌悪そうなんだけど。てか呼び方小娘にまでランクダウンしてるんだけど。、、、一応聞いてみるか。
「えっと、、、私に服従してくれない?」
『はぁ!?寝言は寝て言え!ふざけてるなら帰るぞ!』
「ちょっと待ってくださいよ~!服従してくださいよ~!このままじゃ一人置いて行かれてお荷物になっちゃうんだよ~」
『すでに服従させようとしてるやつの態度じゃないだろ』
「それは私もわかってる。でももうなりふり構わってられないのよ。お願い!ちょっとだけでいいから服従してくれない?」
『ちょっとだけ服従ってどういう状況だよ』
「ほんのちょっとだけでいいの!形だけでいいの!信頼度さえ上がってくれればいいの!」
『いやよくわからねぇけど、それじゃ信頼度上がらねぇだろ』
「じゃあ仕方ない。何が欲しいの?」
『はぁ!?』
「何でも欲しいもの上げるから!」
『はぁ、物につられて服従するわけねーだろ。少しは真面目にやれ』
「ほら、これ上げるから!頼むよぉ!トリえもん!!!」
『うるせぇな。なんだよこれ』
*
日が暮れたころにノブナガとウヌカルが帰って来た。
「ウヌカルのレベルが爆上がりしたの!」
NPCネーム ウヌカル
レベル 45
職業 巫女
「ウヌカルはよくやったな」
「ノブナガのおかげなの!」
「そうかそうか」
「そうなのそうなの」
「、、、で、ランお前はどうなった?」
さっきまでウヌカルと和気あいあいとしていたノブナガが私の方へ鋭い視線を向ける。全然期待していない目だ。ふふ、愚かな。
「気になるなら私のステータス見てみてはどうかしら?」
「うん?随分自信満々だな」
キャラネーム ラン
レベル 90
職業 陰陽師
式神 トリ(火之迦具土神)
トリ(火之迦具土神)
レベル 682
スキル 地獄の炎 復活の炎 不滅の炎 破断の炎 識の炎 終末の炎 ランへの忠誠
「はぁ!?お前マジか!トリが本当に忠誠を誓ってるじゃねーか。レベルも倍になってるし」
「ふふん!火之迦具土神の忠誠を得た場合のボーナスはレベル2倍なのだよ!」
「それは知ってたけど、どうやってトリの忠誠を得たんだ?」
「それは企業秘密だよ!わっはっはっはっは!」
2時間前
私はダメ元で無限収納に入っているアイテムを片っ端からトリに渡してみた。
案の定トリは何にも興味は持たなかった。もう諦めかけたその時。
「ちょっとまてラン!!!」
「え?」
「そ、そのすごく旨そうな匂いがする石は何だ?」
「え、これ?ああ、ノブナガが火薬を作るために溜めてる硫黄だよ」
「そ、それちょっと食べさせてもらっていいか?」
「まあ別にいいけど。ほれ」
硫黄の石をトリに渡すとものすごい勢いで食べ始めた。
「ガリガリガリ、くはぁ!うめぇえええ!!!こんなうまいもん食ったの初めてだ!!!」
マジかよ。ただの臭い石だぞ。だがこれはチャンス!
「もし私に忠誠を誓うなら、この硫黄をノブナガからくすねて定期的にあげてもよくってよ」
「ま、マジでか、、、」
マジでか。
「ど、どうする?」
「誓う誓う。忠誠誓うわ、俺」
軽っ!!!
と、こうしてトリは私に忠誠を誓いましたとさ。
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