少女がいる。
その少女は、手足をバラバラにしても痛みを感じず、毒も通じない。
ある理由から、強い復讐の衝動にかられ、動いている。
その、復讐には容赦がない。
殺しもためらわない。言葉による、相手の意識に思い込ませる罠さえ、使う。
男性がいる。
希少な……、体液が人を即死させる毒。その希少な体質ゆえ、悪い組織につかまって、体液を搾取され続けていた。
その少女と、男性が出会った時……。
はじめは、淡々とした関係に思えた、二人の距離。
しかし、少女の復讐劇が進むにつれ、二人の距離は、傷ついた心を癒やす、かけがえのないものとなる……。
特筆すべきは、復讐劇の面白さ。
十万文字ちょっとの物語だが、敵キャラが多い。
にもかかわらず、物語はごちゃっとした事はなく、それぞれの敵キャラ、キャラ立ちをしていて、物語はさくさく進んでいく。展開が早い。
そして、最後には、
───ああ、こういう事だったのか。
と、謎がとけるのです。
バトルシーンも豊富で、もう、ハードボイルドの領域です。
主人公の少女(要目《かなめ》)と男性(斎《いつき》)、二人の関係性が好きです。
おすすめですよ。
血は飛びますが、人死にも多いですが、それがOKな読者さまなら、面白いので、ぜひ、ご一読を!