第14話

セシリア「どこの高校を退めたの?」

私「〇〇高校」

セシリア「同じ!私もそこの高校!ねえ、あの高校、すっごい嫌な高校だったと思わない?」

私は、まじまじとセシリアの顔を見た。

〇〇高校に入学し、いじめに遭い、不登校になり、留年と休学…に追い込まれてからというもの、私と対等の口調で〇〇高校の悪口を言ってくれるような人に、生まれてはじめて出会ったのだった。

私「あの高校のどこがそんなに嫌だったの?」

セシリア「どこがって、何もかも、全部よ。入学してしばらく経ってから、あの売店の回し者みたいな教師が許せないわ。靴下の種類が決まっているから、持っていないなら売店で買えって言われて。お前は売店の回し者かってムカついた」

私「…」

私は、これまで口をきいたことのない、不良っぽい娘がいきなり目の前にやってきて、しゃべり続けているのに困惑していたが、セシリアはそんな私にはお構いなく、やっと話相手を見つけたという感じで話し続けた。

私「あなたもこれから勉強して大検受けるの?」

セシリア「その予定。でも高校に通っていたらまだ1年だから。大検って高校卒業認定でしょ。独学だと大丈夫かしらってここに通うことにしたの」

私「随分早く高校を思い切ったんだね」

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