いとしのセシリア

第15話

セシリア「高校つまんないもの…。それによく休んでいて、たまに学校に行くと、体育の時間とか？体力的についていけなくなっていて。長距離走で友達が一緒に走ってくれるんだけど、それでも息が切れる」

イギリスに姉がいるのだ、とセシリアは言った。

姉は日本の大学に通っていたのだけど、ある日突然中退して、彼女のあこがれのイギリスに留学してしまった。その姉を訪ねてイギリスへ行く、だからバイトして旅費を貯めたいという。それにヘビーメタル好き、ハードロック好きだし。

私「あなたの家はお金持ちなの？」

セシリアは、とんでもないというかぶりを振った。

「父は運輸省の役人よ。高卒でいまの仕事に就いたの。母は主婦」

それじゃお金ないはずなのに、姉はイギリスの大学に留学、妹のあなたは高校中退で、フリースクール通いなの？

セシリア「この学校に通うのは、最低で4万円支払えばいいので、通うことになっただけ」

今だから言うけど、私は、4万円どころかその10倍くらい親に支払わせた記憶がある。フリースクールで、大学検定は科目合格制だから、１科目だけ籍を置いてみればよかったのだが、私は全科目11科目近く申し込んでしまったのだ。

セシリアのちゃっかりした面におそれいった。