第12話 家出⑤

私は家出してから母方の祖母の家に数日いて、それから夜行で東京に戻ることにした。1人で戻ると言ったら、父方の祖母が出てきて(母に言わせると、この人はなんでも自分が出てきて一言言わないと気が済まない人だ)「1人で東京まで戻るのは危ない」とかいちゃもんをつけ、私は祖母の介入をなんとか断って、私は1人で戻った。JR東京駅まで父が迎えに来た。私の顔を見ても何も言わないで、そのまま2人で帰った。

その後も同じ中学に通い続けたのだが、それは35年くらい前の話で…いまだったらどうなのだろう?不登校者のためのフリースクールとか、大検だって年2回あるし、オンライン通学できる公立中学まで大盛況だそうだ。子供のための選択肢が増えることは、基本的に良いことだと思う。

私は中学1年のときに、いじめ・いやがらせに悩んで学校を飛び出して東京から広島まで新幹線に乗って逃げたが、その原因というか理由は、100%わたしのせい(あと、親の甘やかしのせい)で片づけられた。いじめはその後も続行する。クラスの中でもっとも価値がないというか、カーストが低いのでいじめ・いやがらせに遭わないほうがおかしい。あの頃は発達障害という言葉もなかった。私は、生まれてくるのが早すぎたのかもしれない。

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