第7話

物心ついたときから、集団に適応できた経験が1度もないので、当然のことながら学校生活はみじめなものだった。生きるか死ぬかという地獄の日々だった記憶があるが、単に親が私のことを学校に通わせるのをあきらめて、別の過ごし方をさせてくれたらよかったのに…といまになって思う。

発達障がい者でも、集団生活になんとか適応できたという人は多いので、自分のような事例が他にもあるのか確信がない。不登校者も多いのでいることはいるだろう。

学校に通っていた頃、私はうまくいかない感じは強烈に感じていたけれども、その感覚をどうやったら無くせるのか、問題を解決できるのか、さっぱりわからなかった。当然のことながら周囲は全てを私と私の親のせいにした。親は普通の真面目な人たちだったので、私が学校不適応になるたびに、どうしたらいいんだろう、あの子は難しいから…と言い、お金を遣って終わりだった。お金を遣ったというのは、私に与えることもあったし、カウンセリングとか医療機関や薬剤のこともあったし、学校の先生たちに贈るお中元やお歳暮のこともあった。

あれだけお金を遣って、困っていた父母だったのにどうして子供を学校に通わせるのをやめさせるという選択肢がなかったのか不思議に思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る