第5話
そんなわけで、私がセシリアと出会う話を書こうと思うと、その前に"なぜ高校を中退する羽目になったのか?"という、書く方もうんざりするが、読む方はもっとうんざりするような自分語りを延々と書かなければならないことに気がついた。
過去に20年もブログを綴ってきて、何度か書こうとしたことはあるけど、本格的に文字数を使って書いたことはない。悲惨な時期だったのだ。高校を中退してしばらくてしてセシリアに出会う前までは、本当に陰鬱で、何をやってもうまくいかなかった。フロイドいわく、人間は忘れたいことだけ忘却するのだ。だからいまさら書こうにも、あまり記憶が残っていない。
私にとって地獄の年代であった十代から30年以上経過してから、ようやく小説を書くという形で、自分の経験を客観視しようという気持ちになったのだが…、なぜ世間はあれほど高校生時代を懐かしむのだろうか?個人的にはさっぱり理解できない。あの時期の一体何がそんなにすばらしいのだろう?50歳になってみると、16~17歳で自分が享受していた人生より、50歳前後で送っている人生のほうがずっとずっと素晴らしい。自分らしい。朝起きてから、夜寝るまで気が楽。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます