第2話

 彼女が、迷っている。

 彼女の人生だから、彼女の決めたいように決めればいいと思う。結局、どちらを選んでも結果に変わりはない。彼女には伝えてないけど、どっちみち同じことになる。決める意味そのものがあまりない、分かれ道のようで一本道な内容。


 ただ、それを知っているのは、自分が特殊だから。


 自分は、普通でいたかった。だから、彼女と一緒にいる。彼女にとって自分は、普通の存在だから。

 そして。

 結局。

 彼女との生活も、この決断と共に終了する。

 さすがに、これ以上彼女の人生に干渉したくなかった。特殊な人間としての、身の処し方。最後の一線。


 悩む彼女を眺めながら。

 ずっと悩んでいてほしいと、少しだけ思った。もうすぐ答えは出るだろう。


「決めた」

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