第7話

「ふふふ、ごきげんよう。ワタクシたちも混ぜてくださらない?」

「いったい何処から、ですか? ふふっ、気にしなくても良いですよぉ。

 というか、エッチなことにしか興味がない家畜はわたしに話しかけないでくださいね」

「しかたないですわ。だって、貴女の体はますます男を魅了するようになりましたもの」

「そうですか? けど、わたしの体はおねえさまのものですから男には触れさせませんよ」

「あら、そう言ってもらえると嬉しいですわね。けど、女には触れるのでしょう?」

「はい♥ おねえさまに教えられた、女の人の乱れる様はとても素晴らしいですから♥」

「そう言うことですわ。ですから、男である貴方はワタクシのために命を絞り出させてもらいますわよ♥

 そして、彼女のほうはこの子が遊んでくれますわ」

「ふふふ、そんなに怯えなくても良いですよ♥

 ん? あれぇ、アハッ♥ エッチしてたのママだったんだぁ、じゃあおねえさまが食べようとしてる男の人って、わたしが居たら付き合えないってグチグチと愚痴ってた男の人だったの?」

「あら、運命の再会でしたのね。でしたら最後の挨拶ぐらいはさせてもらいますわ。

 ごきげんよう、お母様。貴女が彼女を産んでくださったから、ワタクシは生涯の伴侶というものを手に入れることが出来ましたわ♥

 だからそのお礼として、ワタクシたちから一生忘れることが出来ない快感を教えてあげますわ」

「そんなに怯えなくてもいいよ、ママ。

 わたしね、幸せなんだよ♥ ママが要らないって言ってくれたから、おねえさまが愛してくれて……、すごく幸せ♥

 だからねママ、頭壊れちゃうくらいの気持ちいいを――教えてあげるね」


「「ふふふ、楽しみましょう……♥」」










「面白い偶然でしたわね。というか、貴女のお母様って本当薄情な人間ですわね」

「仕方ないですよ。元々、わたし自身は望んで妊娠したわけじゃないそうですし……。

 でも、わたしという存在を忘れられないことは出来ましたから……アハッ♥」

(久しぶりにママに会ったけど、本当に何も感じなかった。

 あの頃は愛してほしい、振り向いてほしいって思ってたのに。全然、何も感じなかった。

 きっと、おねえさまが居てくれるから、そう思えるようになったんだ)

「いい顔をするようになりましたわね。でも、いい加減……サキュバスですから、男の人から精を絞れるようにならないといけませんわね」

「それはそうですけど……、でもわたしは、おねえさまや女の人と触れ合いたいです♥」

(あらあら、面白いサキュバスになってしまいましたわね。

 を魅了する体を持っているというのに、を味わうだなんて。でも、そういうサキュバスが居ても面白いですわね♥

 それに餌を味わっている間にこの子も楽しめるのだから、良いですわね)

「――あら? あれって……」

「自殺をしようとしていますね。どうしますか?」

「貴女はどうしたいのかしら?」

「わたしですか? ……ちょっと行ってきます」


(思えば、こんな感じにワタクシもこの子と出会ったのでしたわね。

 そしてあの子、自分とあの自殺しようとしている子を重ねたようですわね。

 きっと持ち帰るでしょうし、どうなるかが楽しみで仕方がありませんわ)

「――本当、楽しみですわ♥」


  ― END ―

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不幸ちゃんとサキュバスさん 清水裕 @Yutaka_Shimizu

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