緑陰の子(お題「緑陰」)

おひさまが眩しい。帽子をかぶっていても暑くて、ぼくたちは何度も木の下に駆け込んだ。夏休みの神社には、ぼくたち以外に誰もいない。蝉の声がすごくて、耳を塞いで笑い合う。そこで、ひとり多いことに気付く。「でも誰が多いの?」首を傾げるこの子は誰だっただろう。木陰に入るたび分からなくなる。

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