種を飛ばす(お題「すいか」)
あの人は西瓜の種を飛ばすのが上手だった。そんなの上手でも仕方ないと笑う私のことは気にせず、縁側から庭に向けて勢いよく飛ばして見せた。そのときの種が床に落ちていたのを、なぜだか拾ってとっておいたのだ。春に埋めたそれは成長し、立派な実が生った。味は気にしない。ただ種を飛ばせればいい。
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