慈雨(お題「滴る」)

「私達の涙はどこへ行くか、アンタ知ってる?」『ホラ吹き』アニーが言う。「私達の涙はね、滴って土に染み込み川になり海になり、地下に住む人たちに降り注ぐの。恵みの雨になるの」嘘つき、なんて言わない。彼女の痩せた母親が床に臥せっていることを私は知ってる。なぜ彼女の目がいつも赤いのかも。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る