side 神

神「うん、つまらない!」




僕こと、神は一人真っ白な空間で呟いた。


アキラの異世界生活をずっと観察してたが何も起こらない。山も谷もラブコメも壮大な冒険も何も無い。まあ、僕も最初は期待してないと言ったが、これはヒドい。




ただ流されて動いているだけで、自分の意思が無く有象無象のモブキャラというかNPCみたいというか、何て言ったらいいのかな主人公としての魅力が無いな!




こう、最初に出会った時の様なギラギラとした感じな、何をしでかすか予想がつかない人格だった、そんなアキラだからこそよかったんだよ。今のアキラは、もう見てらんないよ。無難な行動、当たり障りの無い言動。何だよこれは! こんな日常物なんて僕は求めてないんだよ!




生きてる事に満足して思考停止でもしたのか? 最初に山間地へ転移させたのがマズかったか? あのサバイバル生活で死の恐怖がチラついたのかな? だとしたら失敗だったな。牙が抜けたアキラなんて面白く無いよ。それともアキラは元からこんな性格だったのか? あれは一時的な錯乱状態で強気な性格になっただけなのか? 考えても仕方無いか。




まあ、時間があったからこちらも代理人が決まったし、良しとしよう。そうだ、そろそろ賭けのヒントとやらも出さないとだったな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る