第12歩 『爪先立ち待ち』?

「その……なんだ?謝罪会を開きたいんだが」


「しゃざいかい?」


 いかにもなネーミングセンスだ。青咲さんは、おどおどしながら、そっぽを向いて提案してきた。昨日突然帰ったから、一応は申し訳なさそう……かな。


「どんな会なんですか?ひたすら謝りまくるんですか。そんな会ならやめてしまえ」


「なっ!思いつきもしなかったよ、そんな会。……いぶき君も一緒に、この部屋を使って、3人で、お食事会みたいな感じなんだ。どうだろうか」


 それは謝罪会なんだろうか?


「それは構わないですけど、誰が料理を作るんですか?」


「出前とか」


「……なるほど」


 健康検証のメンバーだよな、一応。謝罪会なら出前もOKなのか?というか、謝罪会って本当になんなんだ。


「ということで、日雀君!お店に行って、出来立てほやほやのピザを受け取りに行こう!!」


「ん?ちょい待って青咲さん。ぼくに謝罪会のOKもらう前に予約してたんですか?」


「まあまあいいじゃないか。よし、ついでに検証もやりつつピザを!」


 この人、かなりのピザ好きか何かなのか———







「それで青咲さん。何をするんですか?」


「ウォーキングにアレンジを加えた、検証。その名も『爪先立ち待ち』だ」


「『爪先立ち待ち』……。そのままですね」


「意外と難しいんだ。わざと遠くのお店で予約したから、赤信号で待っている間は、やってみよう日雀君。今回は、私も参加するから。どうだ?」


「取りに行くついでだからいいですけど」


 爪先立ちってそんなに難しいのか?今回は、日常に取り入れやすいかの検証かな。とりあえずやってみるか。

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