第13歩 ぽかぽか、ほやほや。
「おおっと」
意外とバランス能力試されるな。青咲さんの肩に手を置きたくなる。
「爪先立ち、普段しないからか難しいですね」
「そうだな。爪先立ちは、色々なメリットがあるが、1番有名なのは血流が良くなることだろうか。足の方がぽかぽかするし、効果はありそうだな」
確かに、足がぽかぽかする。ぼくは冷え性だから、ありがたい。
「青咲さん。これから寒くなってきますし、冷え性が改善する検証を何個かやるのはどうでしょうか」
「なるほど。でも、冷え性なやつがいないと検証がやりにくいな」
「ここにいます」
「いや、それはわかっているんだ。もう1人ぐらい欲しいな……」
なんで、ぼくが冷え性なの知ってるんだ?本当に、どこ情報なんだよ。
「前にも言ったが、私の能力なら、君が冷え性なことぐらいすぐわかるんだ。いい加減慣れてくれ」
「今、ぼくの心と会話しましたね」
「日雀君は顔に出やすいからな……。よし、ついた」
青咲さん、最後の赤信号で爪先立ちしないで普通に待ってたよな。頭の中、ピザなのかな。
「出来立てほやほやだ。日雀君。そこの公園で食べよう!」
「いぶきはどうするんですか?」
「なっ!……いっ、1枚ずつぐらいなら、ここで食べて、いぶき君は怒らないと思うんだ。よし、食べよう」
「だめです。帰りますよ」
「意地悪だ!」
歩いたら冷める!と言い続けるから、仕方なくタクシーで帰った。タクシーの運転手さんに見つからないように、ピザを食べようと箱を開けようとしたので、家に帰るまでぼくがピザを持って帰った。こんなにピザが好きな人、初めて会ったな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます