№_8 You've got a bad break.(運が悪かったんだよ、それだけ)

「か…母さん、何だよこれは。こっちに来て助けてくれよ。俺だよ。武志タケシだよ」

 「ちょっ、ちょっと、なんか勘違いしてるよ、…母さん呼んでくれよ」

 ************************************************************************************


 ー もしもし、お疲れ様っす。現在、ターゲットの自宅付近に車を止めてますが、現場は警察の捜査車両が複数止まってます。先ほど一人の男が、パトカーに乗せられました…そうっす、逮捕された模様っす。さっきからずっと、自分は詐欺師じゃないとか、母さんを呼べとか叫んでました…こいつは一体何者なんすかね?あと、現場に僕と同じシルバーのアウディが止まってます。年式は違いますが、僕の車と似ています。いかがいたしましょうか。撤退しますか?


 ・・・ひとまず現場を離れろ。作戦は中止だ。見つからないようにそっと現場を離れるんだ・・・


 くそっ、うまくいくと思ったのに…誰だ、ヘタこいて捕まったのは。でも何者か知らんけど、そいつが捕まってなければ俺らが捕まる可能性があったってことか…だとすれば今回はラッキーだったのか…

 やっぱり、運を味方にすれば、人生は上手くいくんだろうな。今回捕まった奴は、本当に運が悪かったとしか言いようがない。

 さて、頭を切り替えよう。次のターゲットに電話するか…


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る