詩集「憂鬱」

輪郭

かさついた光の憂鬱の真似事が

光の束を減らして落ち着く雪国の

踊りの中の不思議な世界が淀む

それは定められた輪郭の落ち葉を集めて

記憶の中を揺らぐ静寂に身を任せて

さっきまでの幻想が辺りに散らばっていた

季節は移り変わり夏の光が揺れている

音の響きが幻想風景の束を集めて

月の欠片を集めていく情景の中に眠っている

珊瑚礁のテレビの画像のインタ―ネットが

夢の跡にのっぺりと収束していく

閉じ込められた感覚に虚ろな顔が

涙の雨に響かせるたくさんの影を導いた

静寂を夢見た八月の音が花火の

輪郭を塗りつぶしていくのは感情の

行き場を失ったたくさんの集合だった

それは長い間、続いた絵の具を混ぜて

蘇る世界のありきたりな風景だった

パソコンの点線の羅列がどこまでも続いていた

四角い雰囲気をまとった夜の呟きに

形が残っている白い影が映る

輪郭が落ちていく遠い風景の絵画が

静寂の中を満たしていくような気がした

あれは無限の角度の並びで

閉じ込められた手の中に掌握された

手に映る棒の間隔の隙間に

鳴き声が続いたピアノの音が住みついて

離れていくオレンジ色の窓の外に

締め付けられた遠い空の闇が

燃え移る音の響きがあって

そこに吸い込まれていった