感覚
暑い河原の中の鈍った感覚が静寂の
穏やかに流れていく中に熱を帯びるから
今日も滲んだ感覚に耳を澄ませる
思い返せばそれは透明の花瓶の中で
純化されていってどこを進んでいくのか
ありふれた残像の中に砕け散っていく
爪の傷は静かに漂う
水槽の中の踊りを奏でる
ただ伝達された形の帯びた
それは黒い布で覆われている時計の
鈍い連関を綴っていく
朝が来て、沼の中に落ち込んだ顔の
叩き割った破片の残骸の歪んだ悲しみは
全てを揺すっていく風の中に
遠ざけた輪郭の浮き上がる水の表面が
緩い軌道を描いて差し込まれていく
それはただ感覚の記憶した痕跡の
沈んでいった影の中の消息だった
連鎖していく関係の僅かな熱源にある
過去の人形の形跡に反応し
様々な紙が散らばり燃やされていく
破壊しつくされた感情の麓にある
緑の飛行する音楽が続いていた
限定された時間軸の落ち込んでいる
それは否定し続けた残像の
元々生えていた野菜の暗がりに
街灯の明かりが混じる金色の月が
その面影を同時に引き込まれる
近づいた線路の意思が広がっていく
八月の終わりの夜が描く
星の微かな響きが散らばっていた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます