夏の残響
体が僅かな熱源だと気づいたのは、意識が暗闇に向かい
その中で事象が数学のように構成されているかもしれないと
夢の中の自分の影は確かに過去を映し
時計の針が回り始める時、胃の中が収縮する
ダンスを踊る鳥たちの空白の概念が
言葉の連なりを激しく夢想していたが
やっぱり星屑が懐かしくて、時に忘れていた
それは不思議な連鎖をしているように見えた
喧騒に包まれた時の感覚が雑巾を飲み込むような
熱を帯びて汗が流れていくけれど
それ自身も確かに帯びているのだろうか
鳥が動いているからそれを推測したけれど
やっぱりどこか違うような気がしていた
オイルの冷たさに安息を見出し
今日はあの鳥は羽ばたいて行かなかった
だから、料理は静かな繰り返しを歩んでいく
例えそれが影に包まれたとしても
やはり動き出すのは沈黙の中の呼吸かもしれない
全てが形作られた病的さを含有しているのなら
訪れるのは描かれた静寂のはずだから
実際、病室の中の音楽は暗く
それが進むのは憂鬱に満ちているけれど
思い返せばそうならない道もあって
だけれど、こうして形成されたのだから
いつか見るひまわりを焦がれるしかない
全てが揺れ動いた夏の残響が
虹色の花火と融合していくのを見ていた
それが終わりを告げる時、歩み始めるのは
幻想の描いたパズルだろう
未だに沈んでは浮かんで、それを繰り返している
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