伯爵令嬢ローザ・リヴァノフの独白


私の名前はローザ・リヴァノフ。

しがない一介の伯爵令嬢でございます。

何か疲れて見えるですって?

………………ええそうですわよ!!!

目の前の男からの牽制するような視線にほとほと疲れておりますわ!!!

別にあなたの愛しのご令嬢とわたくしには何の関係もございませんのよと叫んでやりたいですわ!!!

あ、いえ、何の関係もというのは語弊がありますわね。

ご令嬢――――アリシア・ツェローラ公爵令嬢とわたくしは学園で友人として仲良くさせて頂いておりますの。他の数名と共に、所謂仲良しグループと言うやつですわ。決して、決して恋愛対象では無いというのに目の前のこの男ときたら!


今私達は、アリシア様を陥れんとする男爵令嬢の企みを潰すべく、様々な所に映像石を設置している所ですの。

運良くわたくしの実家が魔道具を手広く商っておりましたので格安で大量に販売いたしましたのよ。

本当はタダで差し上げたかったのですけれど、それはアリシア様が渋られたので仕方なくほんの少しだけお金を頂くことにしましたの。

流石に最初は渋った両親も、アリシア様と目の前の男――この国の王太子、ルーカス様がご挨拶にいらっしゃったら喜んで掌を返しましたのよ。全く……我が両親ながら現金なヤツですわ。


ルーカス様がいらっしゃることで証拠の価値が高まる事は重々承知しております。ですが!近すぎじゃありませんこと!?私たちを睨みつけるの辞めて欲しいですわ!その殺人光線を向けるのははかの男爵令嬢と侯爵子息のみになさって!?


全く、彼の想いに気付かないのなんてこの学園でアリシア様御本人位のものですのよ。


一体どうなることやら……。

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