第4話

パーティー編4

そもそも、着ている服について、著しくTPOを書いているというのならば責められるのも納得だが、そのような失態は犯していない。しかも、色について、しかも濃さについて責められるとはどういうことなのか。当然、周りにいる人々だって薄い色の服を着ている者は多い。

ルーカスの頭の中は、次々と生まれる疑問符に埋め尽くされていった。



「……?それが何か……問題でも?」

「!!?何をおっしゃるのですか!?大有りですわ!シャルロット様を蔑ろにされるおつもりですか!?」


シャルロット・スウィンナートン。

今日ルーカスが訪れている国のご令嬢だったはずだ。

とはいえ、なぜそれで責められなければいけないのかが全く掴めない。

説明を求めるために会場内に視線を滑らすと、彼女はすぐに見つかった。

彼女は、令嬢たちが集まっている集団の中心にいたのだ。


シャルロットは、いつもルーカスが好んで身に着けるような、藍色のドレスを身に纏っていた。

彼女を飾り立てている宝飾品類もサファイヤが多く使われており、まるでいつものルーカスに合わせたかのような装いだ。



「……シャルロット嬢、彼女の言っていることについて、ご説明いただいても?」


ルーカスはいやな予感を押し殺しながら問いかけてみる。

深く関わらずにうまく逃げろと頭の中で警鐘が鳴っているが、謂れのないことで責められているこの状況を放置しておくなど、彼の矜持が許さなかった。


だが、答えがもたらされたのは彼女からでは無く、先ほどルーカスの元に特攻してきた令嬢からであった。



「ルーカス様は、シャルロット様とご婚約なさったのでしょう!?なぜシャルロト様に衣装を合わせさせておいてご自分はいつもと違う格好をなさっているのです!!??」

「…………は?」


完全に寝耳に水だ。

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