第7話 資格 

「よし、資格とるか」

 何事も複数の目標を持っているのも必要なことだ。

 ツライことを考えていてもつらくなるだけだ。


 つらいことや嫌なことを忘れるまでギリギリまで撮影を入れた。

 もちろん両親に迷惑をかけれない。

 

 どうやったって扶養の範囲は出てしまうので

 超えてしまって負担になるだろう税金分だけの仕送りはしている。


 それ以外の時には学校の勉強であったり、役者の研究であったりしている。


 雑誌に取り上げられることもあった。


 俳優として映像出演することも増えてきた。

 

 もう端役は両手では足りないくらいだ。

(芸能関係では前世の私の活躍を超えてしまったな)


 今世はやったという気持ちと、

 前世はあれだけ頑張ったのに事務所の売り出し方次第で

 差ができるなという気持ちが半々ある。


 前世の記憶であった資格は取った。

 整理のアドバイザーの資格と美容の民間資格3つ。

 計4つは前世の記憶があったから先に取った。


 多分内容も変わっていないし、楽に取れるという計算だった。

 取れる資格は半年程度で全部とった。


 まだしたいことはあきらめられない。

 内容は難しくない。

「受験資格は満たしているけど、講習時間がなぁ」

 資格を取りたい気持ちはある。

 たいていの資格の年齢制限もこの春でなくなる。

 しかし一番メインでとポリたい資格の車関係は講習時間をこなさないと取れない。

 撮影、勉強、稽古、歌やダンスのレッスン。

 いくら考えても都合がつかない。

 このまま、ライバルに負けるも悔しいし、できることをしてみるしかない。


 ライバルとの差別化。

 これは考えるだけ心が沈んでいくけれど、時間が取れない。


「畜生……差別化かぁ」

 確認した。

 撮影に影響のない髪色と服装を考えてみる。

 アイツとはかぶらないような髪型と服装。

「俺の趣味とは違うけど」

 あまりに男っぽくて抵抗がある。

 自分らしくないのではないか。

 と考えて、自分らしく男性らしく冒険してみるという考えもある。

「女のメイクだってやってきたんだし、

 男でのイメチェンなんてたかが知れているよな」

 きっと女ほどのメイクができないから男性はブランドものにこだわるんだろうなと思わないでもない。


 アイツはきっとノーブランドで自分の着たい服を着ている。

 俺は今度は一点ブランド物を入れてみよう。

 

 それからしばらく筋トレして

 自分の好みのブランド物や香水などの嗜好品を探してみた。


(俺はアイツに比べて無頓着みたいだけれども礼儀はきちんとしたいな)

 礼儀作法の本も読むし、気遣いの仕方も何となくわかってきたつもりだ。

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