第6話男の友情
気分的にすっきりとした時期だった。
「あ、智樹のアカウント発見」
電話番号登録で簡単に友人たちは繋がれる。
友人と思われるSNSの内容は、
俺への批判とライバル俳優への応援だ。
SNSで熱心にライバルの
応援しているのが
(友情ってないものなのか)
女の友情はハムより薄いということは分かっていた。
前世で女性だった時、悪口、陰口は凄まじいものだった。
一緒にいる人が陰で悪口を言って笑っている。
何を信じればいいのかわからない時もあった。
男の世界はあまりそういう場面に出くわさなかったから
気にかけていなかった。
男も同じなのかという気持ちになる。
がっかりするが、そんなことに傷ついてもいられない。
大丈夫だ、芸能界ではそんなこと沢山ある。
「大丈夫だ」
それが日常でも同じだということだ。
気を取り直して、エゴサーチをしてみる。
SNSでは俺への賞賛が流れてくる。
かっこいい、
かっこいい。
ビジュ最高。
演技も素敵でした。
などなどモチベーションが上がることを読んでいる。
みないように意識していても、目に飛び込んで切るのはライバルと比較だ。
ウチ、佐々木より神宮寺派。
だよね。同じ年なのに、なんであんなに違うんだろうね。
一部のファンには全く違うらしい。
それはそうだ。
周りに見てほしい承認欲求の塊の俺と
周りにも気遣いできる神宮寺。
同じ所属の人から聞かれたこともある。
「どうやったらそんなにメンタル強くなるんですか?」
「……筋トレかな」
そういう質問にも傷つくんだけれど、
やはり言葉を投げかけた方は気が付いていないようだ。
誹謗中傷にはならない批判は多くある。
人の裏を知っても、メンタルを病まなくてよかった。
前世の経験もあるから強いのかもしれない。
筋トレしているから気持ちを強く持っていられるのかもしれない。
今日も腹筋と背筋のトレーニングだ。
思い悩む時間は少ない方がいい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます