男子シングル選手(5)~清司、雅之~
菜村清司(日本)
SHにのみ登場。
哲と同じリンクに所属する一年後輩の少年。
哲のことは先輩として尊敬しつつ友達感覚でもあり、付き合いが長いためその特異な精神構造もよく把握している。
哲の才能の正体について、自分では気づかないまま津森に重要な示唆を与えることもある。
早朝練習を欠かさず、高1で全日本ジュニア5位、インターハイ4位に入賞するなど基本的には真面目で優秀な選手だが、現代っ子らしくプログラム曲に「ドラゴンクエストのテーマ」を選び、さらにネットでレオに対するアンチ意見を集めて尻馬に乗るような発言をするなどミーハーな一面もある。
哲の言動に驚くことが多い一方で清司自身もいわゆる天然ボケな面があり、哲を呆れさせたり、時には大きな自信を与えることもある。
08年度世界選手権では会場に赴いて環の爽やかさに感動し、レオの貫禄に圧倒され、その際に実は環のファンであることを哲に打ち明ける。
男子フリーは会場で生観戦し、偶然に南雲小夜子の隣の席になり、お互いの立場を知らないまま言葉を交わす。
加藤雅之(日本)
SOEにのみ登場。
岡山出身で大学進学後は東京で競技活動をする。
00-01シーズンの全日本優勝、世界選手権6位、翌シーズンのスケートアメリカ優勝と、国内トップであり世界水準の実力をもつが、反面けがの苦しみとプレッシャーに苛まれている。
非常に神経質な面があり、バシキロフに対して他の男子選手同様重苦しさを感じつつ、「彼が出る試合だとそのオーラに引かれていつも以上の力が出せる気がする」とも感じている。
また伶里のとある発言に救われる思いがして交際を始めるものの、今度は浅井廉士への嫉妬も抱え込むことになるなど性格はきわめて複雑である。
伶里との交際自体は順調だったが、五輪シーズンにスケアメ優勝後出場した次のロシア杯で、バシキロフの4+3+3のコンボを見て衝撃を受け、理性を失う。
けがを抱えているのにもかかわらずスリークワドに挑戦し、完全に腰を傷め演技中に動けなくなり途中棄権。
競技者としても再起不能となる。
それによってエースとしての誇りを失い、伶里にも五輪断念を強要するまでになる。
しかし伶里がそれを受け入れた瞬間から不安を抱き、五輪が開始し、フィギュアスケートの会場と演技映像をテレビで観るとその荘厳さに打たれて胸中の憤懣が消え去り、同時に伶里への悔恨も生まれる。
その決まり悪いという心情を一方的に伶里に告げて事実上の別れとし、実家のある岡山に帰省する。
その後故郷で身体を治し、もう頂点は目指せないこと、大きな罪を犯したことを自覚しながらも再び競技に復帰する。
地元の有力者の娘と婚約して将来婿入りすることを条件に家長の兄に練習費用を出してもらい、練習を再開する。
数シーズン地方大会で足踏みしていたものの、04年度世界選手権での伶里の演技を見て奮起。05年度の全日本で3位入賞して五輪出場権も獲得する。
この結果が、高熱で倒れた伶里を全日本に出場させ彼女も五輪代表に滑り込ませることになる。
雅之自身は全日本で完全燃焼してしまい、最初で最後の五輪は22位という結果に終わる。その際バシキロフのフリー演技を生で見て痛切な思いに駆られるが、同席した環の反応の鈍さにも気づいていた。
トリノではホテルをとっていたが女子のショート終了後、選手村に行き伶里と会う。お互い哀切なものを感じながら和解をし、また雅之は一人のスケーターとして伶里の演技と滑走技術を称賛する。
別れた後雅之は、今度こそ真の別れであること、自分にチャンピオンとしての器がなかったことを自覚し、せめて彼女の赦しを辱めない人間になりたいと決意する。
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