男子シングル選手(4)~その他脇役選手~

郭雷辰(中国)

SHにのみ登場。

十代のころからGPFやワールドのフリー最終グループに入ってきた実力者。

ジャンプ偏重といわれる中国男子の中では例外的に、それ以外の要素も表現力もレベルが高い。

ソルトレイク五輪5位、世界選手権では04年度銅メダル、05年度5位。

24歳で迎えたトリノ五輪では3位入賞して銅メダルを獲得し、直後の世界選手権北京大会でも銅メダルをとって引退する。



林飛(中国)

SHにのみ登場。

郭雷辰引退後の中国のエースで、体操競技からの転向者でありクワドマスターと呼ばれる四回転の名手。

レオもしのぐ質の高いジャンプを誇り、06年度のGPFにも出場するがジャンプ以外の要素に難ありなので世界トップには隔たりがあると井原に評される。

08年度世界選手権ではショートもフリーも7位で総合8位。



アンドリュー・フラナー(アメリカ)

SHにのみ登場。

インⅢでトリノシーズンに18歳で全米3位に入り、四大陸2位になったところが語られる。

その成績から世間では五輪代表にレオを外して彼を入れるべきという声も上がったほどだが、当のレオや連盟には「ジャンプ以外は粗い」「転んでも点が取れるプログラムではない」と評される。

07年度世界選手権5位。

翌07-08シーズンはGPF4位、全米優勝と躍進を遂げるがワールドではショートでミスをして8位発進になってしまう。フリーでは盛り返し総合6位入賞。



マック・ディーリアス(アメリカ)

SHインⅢにのみ登場。

ダラス市を地盤とする上院議員の甥という立場だが、テキサスでは珍しくフィギュアスケートをやりこみ、16歳で迎えた94-94シーズンの全米ジュニアで優勝を遂げる。

レオより6歳年上で面識はなかったが、テキサススケート界期待の星としてレオは彼の存在を心強く思っていた。

翌シーズン11月にダラスで開催された世界ジュニアに出場するが、ロシアの神童15歳のイリヤ・バシキロフに押されショートで2位発進となる。

フリーでは、おそらく伯父の上院議員の仕込みと思われるフーリガンの過度な声援も逆効果となり、緊張から総合9位に終わる。

このフーリガンの妨害にも負けず優勝を果たした、バシキロフの演技と一連の態度を客席で観客として見ていたレオは深く感動し、彼への憬れがその後の競技人生の核となる。



ジョシュア・ヘイズ(アメリカ)

SHインⅢにのみ登場。

長野五輪シーズンまでの世界のエース。

長野五輪前年の世界選手権で銀メダルを獲得(バシキロフは銅メダル)。

全米王者として挑んだ長野五輪では軽快なジャズで滑り、難解なクラシックで滑ったバシキロフよりジャンプレベルは低かったものの優勝する。

五輪後は引退し、その後世界大会でのアメリカ男子のメダル獲得はレオ・ウィリス登場まで途切れることになる。



クルト・ノイハウス(ドイツ)

SHインⅢにのみ登場。

長野五輪シーズンまでの世界のエース。

長野五輪前年の世界選手権で優勝するが翌年の欧州選手権では17歳のバシキロフに破れ、長野五輪ショートでもミスをして5位発進となり優勝争いから脱落する。

五輪後の世界選手権でもバシキロフに破れて世界タイトルを奪われ、これがその後のバシキロフの完璧な常勝街道の嚆矢となる。



スタンリー・フェイガン(アメリカ)

SHインⅢにのみ登場。

ソルトレイク五輪の出場がかかる02年度全米選手権で3位入賞し代表入りを果たす。

その後四大陸選手権で優勝するが無理をしたために足を傷め、肝心の五輪では直前になって棄権することになる。

それにより補欠のレオに出場が回されるが、あまりに急なことであったためにレオも動揺し実力を発揮できず、10位に終わる。

五輪終了後にフェイガンは世界選手権に出場。



シドニー・デイル(アメリカ)

SHインⅢにのみ登場。

ソルトレイク五輪7位、世界選手権でも04年度6位など毎回7位前後に入ってきたベテラン。

しかし05年度世界選手権では風邪で途中棄権し、アメリカ男子の五輪出場枠を2つにしてしまう結果になる。

それでも翌年の全米では2位になって五輪代表となり、トリノ五輪では8位入賞。



ティム・ブランチ(アメリカ)

SHインⅢにのみ登場。

05年度全米選手権で24歳にして初めて3位入賞し、世界選手権出場を果たす。

しかし12位という成績になり、翌トリノ五輪のアメリカ男子の出場枠を2にしてしまう。



ジュニア選手(アメリカ)

SHインⅢにのみ登場。

レオと同じロサンゼルスのリンクに所属し、トリノシーズンには17歳で全米ジュニア優勝した実力者。

三月の世界ジュニアに発つ前にレオに優勝するよう激励されるが、「高槇には勝てない」と言い、レオが哲の演技を見て来シーズンのモチベーションを新たにするきっかけを作る。



デューイ・ニールセン(アメリカ)

SHにのみ登場。

環がアメリカで入門したポートランド・アイスパレスの生徒でクラブの有望株。

リアムの作ったプログラムで06-07シーズンは全米ジュニアで銀メダル獲得、世界ジュニアで5位入賞した。

リアムとパスカルを深く尊敬している反面非常に子供っぽいところがあり、環がクラブに入ってきたせいでリアムが今シーズンは自分に振付をしてくれなくなったと思い環に当たり散らす。

そこに居合わせたリアムにとりなされ今年もフリーの振付をしてくれることを認めさせ、また環から日本のリンク環境の厳しさを聞き、一応矛先を納める。



大学生1(アメリカ)

SHインⅢにのみ登場。

レオがスケートを習い始めたリンクでの唯一の男子大学生。

アメリカは選手の層が厚いため国内レベルでとどまったが、ジャンプが得意で、練習では当時としては高度な3+3コンボやトリプルアクセルを成功させていた。

幼児のころにそれらのジャンプを目の当たりにした衝撃と感動がレオにとってのスケートの原点であり、またジャンプ技術の基礎にもなっている。



大学生2(アメリカ)

SHインⅢにのみ登場。

レオが10歳で移籍したダラスのリンクでの唯一の男の先輩。上記の大学生1とは別人。

父のサファトは自分がフィギュアスケートすることを本心では喜んでいないのではないかという悩みを語るレオに、それは自分の家庭ではしょっちゅうで自分の父はいつもフィギュアスケートを男らしくないとけなすと言う。

さらにレオの父はレオのスケートのために転勤までしてくれたことを指摘し、元はアメフトの名選手だった男が息子がフィギュアスケートをするのを容認するだけでも立派だと説諭するが、それがかえってレオの苦悩を深めることになる。

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