第23話


ディスマス・フロラキスはその界隈では魔法歴史学者として有名だ。


新しい発見や論文も発表し、自身も有能な魔法使い。エリートと言える人物。


そんな彼が家に帰宅すると出迎えたのは愛娘のイオンと向かえの家に住む女子学生の麻山美波だった。


娘のイオンが日本語を上手く喋れず、学校に馴染めなかった時に声をかけてくれたのが麻山だ。


ディスマスは最初こそ、彼女を警戒したが、彼女の普段の言動を見て、彼は彼女を信頼するようになっていた。


「お帰りなさい、パパ。おきゃくさまがきているよ」

「お客さま?」


ディスマスは娘の少しイントネーションが怪しい日本語を聞き、麻山の方を見ると麻山は「会ってもらえれば分かります」と言うのでそのままリビングへ麻山とイオンと共に移動する。


リビングのドアを開けてリビングに入り、ディスマスは驚きで足を止めてしまう。


リビングの三人掛けのソファに座っていたのは真紅のドレスを着た金髪のツインテールの気品がある美少女と黒髪の鮮やかな紫色の和服を身に纏った大人びた美少女が座っており、その二人の背後にはクラシカルな品の良いメイドと黒い色のまさしく忍者! という出で立ちで顔を隠した青年が此方を鋭く見据えていた。


「ど、どちら様でしょうか?」

「突然お邪魔してしまって申し訳ありません。わたくしは縁眼小夜子と申します」

「私はアンネローゼ・カミュラ・アミータよ。後ろにいるのは専属侍女のアメリア。それと」

「忍者と呼べ」


この日本の魔法というコミュニティーで重要な名家の跡継ぎの名前とイタリアの吸血鬼の王族の名前。更に今話題のドラゴンスレイヤーの謎の忍者が自分の家にいる。と言う非現実的な光景にディスマスは思考が停止しかける。


「事前の約束もなく、突然家に押しかけて申し訳ありません。ですが、此度の一件は可及的速やかに話し合が必要だと思い、家に上がらせていただきました」


和服の美少女、縁眼はソファから立ち上がり丁寧にお辞儀をする。それに真紅のドレスのアンネローゼもソファから立ち上がり、こう告げた。


「この集まりは、本日起こったミノタウロスの復活と討伐と封印、今後についての話し合いです」

「は? え? え?!」


アンネローゼによって更に爆弾を投下されて、ディスマスは意識を失いかけた。


「ミ、ミノタウロス、ですか?」

「ああ、今日の午後に突然復活した。偶然が重なってな」


ディスマスの言葉に忍者こと武が答える。

それと同時にディスマスの背後から、ふよふよとデフォルメされた茶色い牛のぬいぐるみが飛んできてこう告げた。


「お主がイオンの父か、これからよろしく頼むぞ」


武の指示で弱くではあるが、神に関わる力。神威を滲ませながらミノタウロスがディスマスにそう告げると、ディスマスはあまりのショックで、そのまま気を失った。





意識を取り戻したディスマスとの話し合いはスムーズだった。

まず、事件の経緯を説明。


ギリシャから送られてきたアリアドネの糸にミノタウロスの魂がしがみついていたこと。

武の正体に繋がる話なので、武が麻山にプレゼントしたネックレスは、麻山がフリーマーケットで買ったことにし、そのネックレスの魔力が原因で、アリアドネの糸の中に居たミノタウロスが反応をネックレスの魔力を吸収して復活。


復活したミノタウロスを偶然近くを通りかかった忍者が発見、討伐し封印した。


その時に、巫女としての才能があったイオンの力が必要になったことなどを告げた。


ディスマスの表情はもの凄いぐるんぐるんしながら、変化していたが娘が封印されたミノタウロスの巫女になったと聞かされて流石に頭が冷えたようだ。


「む、娘が巫女と言うのはどういうことでしょうか?」

「簡単に言えば、見張りと世話役だ。ぬいぐるみだ。汚れたからと言って、中身があるのに、そのまま洗濯機に放りこんだら誰だって怒るだろう?」

「いえ、そもそもミノタウロスが復活したことも、討伐したことも大事件じゃないですか!?」

「ああ、だから今回の一件は闇に葬ることにした」


忍者こと武の言葉を聞いて怪訝な表情をするディスマス。


「ギリシャはヒドラ調査に協力すると言ってミノタウロスの魂が入ったアリアドネの糸を日本国内に持ち込んだ。もしや、ミノタウロスを使って日本へ何かをするつもりだったのではないか?」

「そ、そんなことはない! そもそも、あのアリアドネの糸はちゃんと調査をしてからこの国に」

「そうだ。事前のチェックはスカルドラゴンの一件で強化されていた。だが、そう思わない連中が一定数存在する。だから、この一件は無かったことにしよう。と言う話だ。ここに退魔省庁や対魔師局の連中が居ないのが今回の一件は無かったことにしたいという意味だ」


と言うわけで、黙っていろ。と言われてディスマスは本気で本国の連中を恨んだ。


「今回の密約の仲介人として私がここに居るの。貴方さえ黙っていれば済む話。それに娘さんが巫女になったのは貴方への人質ではあるけれど、娘さんを守る処置でもあるわ」

「ど、どういうことでしょうか?」


頭を抱えているディスマスに答えたのは縁眼だった。


「ミノタウロスがイオンさんを巫女にすると言いました。つまり、イオンさんは巫女の素質が高い可能性があります」

「そ、そんな」


魔法使いにとって才能が高いということは、同時に自身が狙われる可能性が高くなるということ。


後天的にたまたま魔法使いの才能に目覚めたディスマスには分からないことだったが、イオンの亡き祖母から自身の幼い頃に誘拐されかけた話などは聞いていはいた。


彼は娘が魔法の才能が無いことを喜んでいたが、実は自分の娘が巫女としての才能が高いことが判明するとは思わなかった。


「現在、ミノタウロスは忍者によって倒され、契約を結んだ状態です。緊急時にはイオンさんを守る守護獣として働いてくれます」

「それは、良いお話ですね。ええ、本当に」


無表情でそう告げるディスマスは、深く溜息をつく。そんなディスマスにふよふよと浮きながら、ぬいぐるみの中に詰め込まれたミノタウロスが声をかける。


「イオンの父よ」

「な、なんでしょうか? ミノタウロス様」

「ミノで良い。安心しろ。我は復活することを一応、諦めた」

「は、はい?」

「そこにいる、忍者は英雄だ」

「え、ええっ?!」


英雄、過去の神話に現れた人間でありながら、神に匹敵する力を持つ者も存在していた。


そんな存在が今目の前にいる。それを自覚してディスマスは背中から冷汗を吹き出す。


「我は忍者に滅ぼされそうになったところをイオンに助けられた。その恩を忘れるほど恥知らずではない」

「む、娘が?」

「そうだ、イオンの父よ。英雄の考えを変えさせた、我は其方の娘の為にこれからは尽くそう」


ミノタウロスの言葉に嘘はない。

武は子供の目の前なのを考慮して、包丁を仕舞い。素手でミノタウロスを滅ぼそうとした。


周囲の環境を考えてどうしても威力を落とした拳を何度もミノタウロスに叩き込む必要が出来てしまい、武の拳で悲鳴を上げるミノタウロスを哀れに思ったイオンが武に縋り付いて、ミノタウロスを助けてほしいと頼んだ。


武の重い拳の受けて、死の恐怖で一杯だったミノタウロスは、イオンに救われたことで精神が変質。


そこを武が条件を付け、新しい身体。ぬいぐるみにミノタウロスを突っ込んだ。


「選択肢はなさそうですね」

「貴方にとっても悪くない話よ。色々とね」

「そうですね。ええ、本当に……本当に何故こんなことに」


一気に老け込んだ表情になったディスマスを見て、武は流石に可哀そうになってきたので、ついついこう言ってしまう。


「詫びではないが、ヒドラを遠目で良ければ見せてやろうか?」

「ほ、本当ですか?!」


その言葉にアンネ、アメリア、縁眼が驚いた表情になる。アンネ達との事前の話し合いには無いことだ。


アンネが思わず待って! と叫ぶ前に武は言葉を続けてしまう。


「今後、秘密を共有して仲よくしようって言うんだ。ギリシャの調査団も遠目でもヒドラを目撃すれば調査団に一定の評価をするだろう」

「よ、よろしくお願いします! で、出来れば鱗などを」

「流石にそれは」


こうして、ミノタウロスの復活と封印は秘匿される契約が忍者とディスマス親子の間で結ばれた。


後日、九州の南部の沖合で日本とギリシャの調査団が乗る船の近くにヒドラが出現。

日本とギリシャの調査団のメンバーが大興奮で大いに盛り上がり、その映像が切っ掛けで、九州の沿岸部はヒドラ・フィーバーとなった。




九州の沖合で日本とギリシャの調査団がヒドラを発見した翌日。


「ねぇ、武。退魔省庁の徳守大臣と退魔師局の米沢さんが説明を求めているけど、どうする?」

「ヒドラが散歩しただけだろうって、伝えておいて」

「王女を顎で使うのは貴方だけよ」


武はアンネの屋敷のアンネの自室でアンネと共に狩りゲーをやりながらそう答えるのだった。




麻山美波は今自分の置かれている現状を夢のように感じていた。

そして、今自分のがいる現在位置、アンネローゼと呼ばれた美少女の豪華な屋敷の一室の高級そうなソファに座っていることも、現実感が無いな。と麻山はぼんやりとそんなことを考えていた。


「どうぞ」

「あ、ありがとうございます」


武がアンネと呼ぶ金髪のツインテールの美少女は本物のイタリアの王族。

それを聞いた時に思った以上に驚かなかったのはミノタウロスと言う神話の怪物の復活に立ち会い、その怪物を素手で倒せる現代の英雄と称された武の姿を見たからだった。

とは言え、緊張しないかと問われれば違うと答える。


「緊張している?」

「っ、そ、そうですね。緊張しています」


ミノタウロスの一件から一日が経ち、イオンの父親のディスマスとの話し合いが終わったので次は麻山に対する説明を武はすることにしたのだが、魔法のことを教えるのなら武だけではなく自分達もとアンネローゼと縁眼小夜子が武に声をかけた。


「王女ですが、必要以上に緊張せずに。これから、私達は秘密を共有するのですから」

「秘密、ですか」


麻山が座るソファの右隣に座っているのは武。

その迎えの席にはアンネローゼと縁眼が座っていた。


「魔法は世界規模で秘匿された技術です。昨日、武にサインさせられた紙のことは覚えている?」

「え、あ、はい。いきなり名前を書けと言われて、何が何だか」


麻山の言葉にアンネローゼは武を少し睨んだが、武は何事もなかったかのように侍女のアメリアが入れた紅茶を飲む。

紅茶を飲む姿が妙に手慣れた感じなので、アンネローゼとアメリアは武が社交界にそれなりに出席した経験があると感じた。

一般人の武が何故そのようなことに慣れているのか、謎が深まった。


「あの契約書は、魔法のことを外へ漏らさない為の誓約書です」

「誓約書?」

「はい、契約書ではなく、制約。一方的に提出する書面よ。契約書は双方が署名捺印するの」

「えーっと?」

「まあ、約束を破ったら、重いペナルティがのしかかるって話」

「え、ええっ」


驚く麻山に武がこう告げる。


「安心しろ、あの誓約書はサインした時点で魔法のことを他者に伝えられないように呪いが掛かるようになっている。仮に麻山がどんな拷問を受けても、魔法関連の情報は絶対に言えないから」

「え?! 先輩、いつのまにそんな恐ろしい呪いを私に!?」

「強引だったが、先にあの一番重い内容の誓約書を書かせておけば、文句を付けられないからな。麻山の自由を守る為にも必要な処置だ」


武の強い口調に戸惑う麻山。そこに縁眼がこう告げた。


「麻山さんは運が良かったですね」

「ど、どういうことでしょうか?」

「状況によっては魔法の目撃者は口封じに殺される可能性もあります。場合によってはどうせ殺すなら人体実験の材料にする輩もいますので」

「はい!?」


縁眼の言葉に麻山は驚きの声を上げる。武が「そんな連中もいるのか?」と縁眼に問いかけると縁眼は頷き、武は「後で、そいつ等の名前を教えてくれ」と言った。

縁眼は微笑みながら、意図的に目撃者が出来るような形で活動している人間の名前を思い浮かべながら、「後でリストをご用意さていただきます」と答えた。


武もある程度理解しながら、しっかりと頷いた。魔法犯罪者ではなくても、自分の身近な人間に被害を出しそうな人間は早めに排除する。武はそう心に決めていた。


「こちらの業界に関わってしまった以上、麻山は俺の監視下だ」

「え、あ、はい」

「ミノタウロスのこともある。今後は最低限魔法のことを知ってもらう」

「まあ、それはいいですけれど。その……」

「なんだ?」

「その、先輩も魔法使いってことですか?」


麻山の問いに、武は考える。自分のは魔法使いなのか? 武の答えをアンネローゼと縁眼、アメリアの三人も静かに武の答えを待つ。


「魔法使いかどうかと問われれば、魔法使いではないな。魔力が使えるがな」

「なら、武のジョブって何なのかしら?」


アンネローゼはわざと茶化すように聞いてきた。答えたくないなら答えなくてもよいと言う問いかけだった。

武はなんとなく察したので、深く考えずに答える。


「怪物を倒したから、【勇者】でどうだ?」


その答えに、アンネローゼ達の胸にストンっと入った。麻山は戸惑っていたが、アンネローゼ達は互いに目配せをして頷き、アンネローゼが代表してこう告げた。


「分かったわ。今日から武は勇者と名乗りなさい」

「あははは、冗談だよ」

「いいえ、私が許可します。勇者武よ!」


武が苦笑いを浮かべ、アンネローゼが少し温くなった紅茶を飲み、麻山は少し戸惑う。


「麻山」

「は、はい、先輩」

「戸惑うことが多いかもしれないが、これから改めてよろしくな」

「あ、はい。こちらこそ!」


武から差し出された右手を麻山はぎこちないがしっかりと握る。


――あ、先輩の手って、凄いごつごつしているけど、スベスベしてる。


想像していた男の手の感触とかなり違って驚く麻山。


――でも、温かいな。


何度も肉体が滅んで再生を繰り返した肉体は、鍛錬の形跡。剣ダコや不要な古傷を完全に消し去っていた。


武はそのことを悲しいとは思ったが、社会復帰することを考慮するなら、全身傷だらけだとマズいなと考えて、治療を受け入れた。


そんな右手で握手をした武は少しだけ安心したような表情の麻山を見て、傷を治して正解だったなと内心安堵した。



こうして、麻山は武の秘密を知ることとなり、武としても一般の友人が初めて出来た瞬間だった。






アンネローゼは考える。武という男の子について。


人の手が加えられ復活したとはいえ、ドラゴンを秒殺する規格外の強さを持つ不思議な男の子。


目撃者として暗殺者に殺されかけたにも関わらず、自然体で指名手配犯の吸血鬼を滅ぼし、命を狙われている自分を迷うことなく護衛することを選び、その後も圧倒的な力で自分を守り切った。

武が自分を見る眼はとても優しく、危険が迫った時に自分を抱きかかえる時は、衝撃などもなく丁寧に抱きかかえられた。

手慣れていると言えば、確かにそうなのだろう。おそらく過去にもそういうことをした経験がある。

そう直感で理解した。


だが、同時に分からないことが多い。


武は今までどこでそのような経験をしてきたのだろうか?

初めて出会った時の戦いを視れば、武が今までに戦い、人を殺したことがあるのは分かる。

だが、武が活動した痕跡がかけらもないのだ。

いくつか武かもしれない。と思うような事件などはあったが、それは全て犯罪者が身を隠して行われたこと。

犯人が捕まっていない事例も考慮しても、武からはそのような犯罪者特有の匂い、雰囲気が全くに無い。


これはアメリアや元暗殺者の侍女などからの意見も聞いているので、間違いないとアンネローゼは考える。


「不思議な人」


アンネローゼは武のことを考える。

分からないことだらけだ。けれど、それはならそれで良いのかもしれない。


「ぬおおぉぉぉぉっ! ギブ! ギブアップだ! 我の負けだ!」

「え、もうか?」


屋敷の自分専用のトレーニングルームで、今武と一時的に人間サイズとなったミノタウロスが模擬戦をしている。


「武って不思議ね」

「そうですね」


対戦相手に困っている武がミノタウロスを指名し、今までの鬱憤を晴らそうとしたミノタウロスだったが。

素手での勝負でも、武に勝てるわけが無かった。

スキルを使おうが、スキルを使わずステゴロでも膨大な戦闘経験を保持する武は迷宮に閉じ込められていたミノタウロスとは格が違った。

一応、力加減はしているが、ハンデになっていない。


「ミノタウロスなんていう神話の怪物が現れたと聞いた時はどうしようかと思ったけれど、要らぬ心配だったわね」

「はい」


既にハードなトレーニングを終えてのミノタウロスとの模擬戦。

流石に武も汗をかいている。


「もう一度、いくぞ!」

「ぐぬぅ、次こそは!!」


武とミノタウロスは正面から取っ組み合い、そのまま力比べに移行する。

武が全力で戦えば、契約で力を大幅に削られ、更に守護獣という武との間に上下関係が出来てしまったミノタウロスが武に勝てる可能性は0だ。


鍛錬と言うことで武がスキルを使って、ミノタウロスに合わせた身体能力で模擬戦をしている。


「素手での組みあいで戦えるほど武は戦いに慣れているのね」

「ギリシャはローマだと拳闘士などが素手での戦いの時の組みがあったと聞きますが、武様とミノ様の動きはまさにそれですね」

「これ、お金が取れる戦いよね。録画している?」

「はい」


後でじっくり部屋で視ようとアンネローゼは心に決める。


「おおっ!」

「ぬおぉっ!!」


二人の熾烈な戦いは、戦闘経験が豊富な武の勝利となった。


アンネローゼは考える。やはり、戦いに慣れすぎている。


この戦いはスポーツではない、模擬戦だ。だが、それにしては戦う時の気迫が違う。


「模擬戦でも手を抜かない、か。武の強さの土台ってもしかしたら、そういう真面目なところなのかもしれないわね」

「地道な努力を積み重ねたからこそ、あの年であれだけの強さが、と?」


それだけでは説明が出来ない強さではあるが、これ以上は探る必要はない。アンネローゼはそう判断した。


「才能があっても積み重ねをしない者はたいして強くないわ」

「それはそうですが」


まだ調べるべきでは? という雰囲気のアメリア。


だが、アンネローゼは穏やかに話題を変えた。


「これから、まだまだ大変そうね」

「はい、武様。いえ、忍者の注目度は上がっております」

「ヒドラの一件があるから、夏くらいは大人しいでしょうけど、秋からが本番かもね」

「はい、準備をしておきます」

「よろしくね」


アンネローゼはサイズを小さくしたとは言え、自分よりも大柄なミノタウロスを軽々と投げ飛ばす武を眺めながら、静かに紅茶を飲むのだった。

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