第7話 生活雑貨はダンマス基準?

 狩りは早々に諦めて洞窟セーフエリアに戻る。


 モンスターとして狩りをするより、ダンジョンのシステム様使ってどうにかするほうがラノベ、ゲーム慣れした日本人らしい。


 システムメニューから、最悪モンスターを召喚して自分で食うこともできるし。



『食料』とか『生活雑貨』みたいなのをDPで買えないかな。


 ありました、『食料1人前』50DP。

 お犬様無視しても4人で200DP、朝晩2食だとさらに倍。


 そんなに甘くはないね。



 1日の自動回復が100DPとシステム様から聞いてるからこの手は使えないか。


 ひとりで引きこもるつもりなら、それでなんとかなるということなのかな。




 女性陣が帰ってくるまでに、こっそり一度召喚してみよう。



 出てきたのは、ちょっとしたプレートランチでした。

 でかくなった自分のサイズ感でも気にならない程度に見える。


 ごはんがどんぶり飯3合ぐらい、ホットプレートみたいなサイズの鉄板に1ポンドステーキ、ソーセージ、エビフライ。

 フライドポテトにグリル野菜。スープと野菜サラダ、お新香。

 提供のトレイがこたつ机の天板ぐらいありそう。


 このサイズ感なら女性3人でも十分なんじゃないかな。

 帰ってきたら、これ出してあげよう。


 ちなみに俺ひとりでペロリでした。


 ゴミ捨て場で頑張ってるスライムさんに、いろいろひと切れづつサラダ皿に盛っておすそわけ。





 なんとなく気になった『塩』を召喚。10DPで壷ひとつ、2kgぐらい?


 他にも砂糖とかいろいろ見てたけど、必要になってからでいいかな。



 武器類は最低ランクのみDPで購入できて、それ以上は『宝箱』からランダム。

 しかもその宝箱はダンジョン関係者、俺には開けられない。


 娘さんたちに開けてもらってもいいけど、最低ランクのダンジョンの1層だからたいしたものは入ってない、らしい。


 中身は毎日復活するが、補充は自動回復分のDPから使うからDP回復が目減りする。


 いいこと無いな。




 いろいろ見てると、DP(ダンジョンポイント)ではなくマスター用のSP(スキルポイント)というものが使えるらしい。


 物理攻撃力に関しては多分問題ない。

 攻撃魔法は、バフデバフ含めて使いたいけどそれほど急ぐこともないか。


 その他ジャンルの魔法から、《鑑定》と《生活》魔法で悩む。

《収納》はダンマスダンジョンマスターになる前から自前で持ってたしな。


浄化クリーン〉とか使いたいけど、さすがに緊張感無さすぎですか。


 というわけで、定番の《鑑定》魔法を。


 自分のレベルが1で、10SP。

《鑑定》魔法をレベル4まで迷わず上げる。1+2+3+4だ。


 たぶん最高の10まで上げるのに55SP必要になるのかな。



〈鑑定〉してみると、スライムさんは『スライムさん』だった。

 名前をつけた記憶ないんだけど、ずーっと『スライムさん』と呼んでたからかな。

 順調にレベルが上がっているようだ。


 たんとおあがり。ほとんどゴミだろうけど。




 気になってた長斧は『ミノタウロスの長斧ちょうふ』、ながおのじゃなかったんだ。


 所有登録されている恩寵品で、願えば自分の手元にすぐ戻ってくるらしい。

 他にもいろいろ隠し能力あるようだが、『???』となっていて今の鑑定レベルではよくわからない。





『回復の泉』から水を手杓で飲む。

 泉に顔突っ込んで飲むのもどうかと思う。


 ピッチャーサイズのマグカップと普通のマグカップ3個をDPで買う。

 ステンレスマグ選んだけど、材質とかそういうところの自重はいらないかな?


 普通マグはまるでお猪口のようなサイズ感だ。

 マグカップ4個、泉の縁に並べておく。





 そうこうしているうちにかしまし3人娘が帰ってきた。

 騒いでるイメージ全く想像できないけど。少しは打ち解けているといいな。


 洞窟エリアに踏み入れた瞬間に侵入者に気が付く、そういう仕様のようだ。

 3人で合計10DP入った。彼女たち侵入者なんだ。

 まあそうだよね。



 女性陣、変わった洞窟の様子に驚き、しばらく騒いでいた。


 しばらくして、バナナの葉みたいな大きな葉に包んだ献上品を持ってきてくれた。

 これはエルフさんの役なのか?



 早速、お返しと『ランチ(?)プレートセット』を提供。

 ごはんじゃなくパンなのは流れを読んでるな。さすがアナウンスさん?ダンジョンの人。

 サイズ感のおかしさは期待どおり、1斤サイズのコッペパン2個。

 スーパーとかで売ってる5切6切とかいうのは、いわゆる半斤売り。

 最近なら高級食パンとかで見慣れた、あの焼き型サイズ。



 献上品の果物セットをいただく。

 昨日のくっそ甘いやつ、甘いと知ってて食べれば癖になるおいしさ。


 気力体力が戻るというか疲れに効く、体が糖分を欲しているのがわかる。



 これを一番に手に取ったから、ぶどうっぽいものとかいちごっぽいものとか酸っぱいだけで味がわからないよー。


 ま、それより娘さんが喜んでるのが見てて嬉しい。

 カトラリー1組しか無いしサイズもバカでかいけど、なんとかなってる模様。


 お箸をひとり1本持って切り分けた肉を刺して使ってるけど、そうじゃない!

 そうじゃないんだよなあ。



 昨日は肉しかなかったからあれだけど、鎖につながれて死にそうになってた体に肉プレートランチがっつりってどうなのかな。

 異世界人たくましいな。


 気遣いできるならもっと胃に優しい食事にするべきだったのだろうけど。




 お犬様が帰ってきた。今日はトカゲっぽいもの。

 体長は犬と変わらない5mぐらいありそうだけど、質量で比べれば全く違う。


 サイズ感は立派なワニ、でもうろこのすべっこさはトカゲ。

 トカゲとかヘビの細かいうろこのすべすべ感、好き。



 捌き方なんてわからんよ。


 刃渡り80cmの片手剣をDP購入して刃を入れてみる。ごりごりぎこぎこすれば切れるけど切れ味悪いな。


 猫が興味深く覗いているので、刃渡り20cmの短剣を渡して解体を任せてみる。


 最初、意図がわからないようだったが俺が斧を寝かして火の準備を始めると解体を始めてくれた。


 内臓はお犬様と俺とスライムさんで取り合いだ。





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