9

 君は、少年たちの願いを聞き入れることにした。


「良いよ、買ってあげるよ」


 君の言葉に、

「よかったよかった」

「で、どの本を買ってくれば良いの?」


 君は、少年がずっと差し出していた5000円を受け取りながら尋ねた。


 すると、

「ええっと……何にする?」

 少年達は頭を突き合わせて相談し始める。


 時間にして30秒ほど経って、少年達のひとりが、

「どれでも良いです」

 と言ってきた。


「いやでも、自分達でお金出すんだから、好みと合わない場合もあるし、よく選んで――」

「――どれでも良いんです」


 少年はイラついて、声を大きくして言ってくる。


「そう、じゃあ適当に買ってくるよ」


 君は、エロ本の自販機へと向かった。


「お前でかした」


 君の背後で少年達は小声で、君に話しかけてきた少年を褒め称える。


「爆竹と煙玉はいらなかったな」

「いや逃げる時、いると思ってさ」

 と手に持って、笑って言っていた。


 君は頭を抱え、エロ本の自販機の前で立ち止まる。


(困った、恐らく少年らにとっては初めてのエロ本。期待を裏切るわけにはいかない。自分のセンスが問われている……)


 と自販機には、20種類ほどのエロ本が並んでいるのを眺めた。


(まず、本物の女性の裸を見たいはずだからマンガはやめだな。SMも好き嫌いが大きいからな。熟女ものはなしだろう。無難にお姉さんもの? 巨乳、ナース、女子高生、いろいろあるぞ……)


 君の頭に、さまざまな考えがよぎる。


(……めんどくさいな……、なんでも良いって言ってたし、目隠しでランダムで良いか……何でセンスが問われる話になるんだよ……)


 さて、どうする。



   ◇無難にお姉さんもの       なら14へ



   ◇目隠しして、ランダムで決める  なら15へ

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