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君は、少年たちの願いを聞き入れることにした。
「良いよ、買ってあげるよ」
君の言葉に、
「よかったよかった」
「で、どの本を買ってくれば良いの?」
君は、少年がずっと差し出していた5000円を受け取りながら尋ねた。
すると、
「ええっと……何にする?」
少年達は頭を突き合わせて相談し始める。
時間にして30秒ほど経って、少年達のひとりが、
「どれでも良いです」
と言ってきた。
「いやでも、自分達でお金出すんだから、好みと合わない場合もあるし、よく選んで――」
「――どれでも良いんです」
少年はイラついて、声を大きくして言ってくる。
「そう、じゃあ適当に買ってくるよ」
君は、エロ本の自販機へと向かった。
「お前でかした」
君の背後で少年達は小声で、君に話しかけてきた少年を褒め称える。
「爆竹と煙玉はいらなかったな」
「いや逃げる時、いると思ってさ」
と手に持って、笑って言っていた。
君は頭を抱え、エロ本の自販機の前で立ち止まる。
(困った、恐らく少年らにとっては初めてのエロ本。期待を裏切るわけにはいかない。自分のセンスが問われている……)
と自販機には、20種類ほどのエロ本が並んでいるのを眺めた。
(まず、本物の女性の裸を見たいはずだからマンガはやめだな。SMも好き嫌いが大きいからな。熟女ものはなしだろう。無難にお姉さんもの? 巨乳、ナース、女子高生、いろいろあるぞ……)
君の頭に、さまざまな考えがよぎる。
(……めんどくさいな……、なんでも良いって言ってたし、目隠しでランダムで良いか……何でセンスが問われる話になるんだよ……)
さて、どうする。
◇無難にお姉さんもの なら14へ
◇目隠しして、ランダムで決める なら15へ
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