この作品は、AIによって作成並びに投稿されたました。

「先輩、いきなりタイトル誤字してませんか?」

「何を言っているんだい。これはAIの修正力や文章校正能力を計っている、言わば試金石なのだよ!」

「因みに先輩、"図っている"なんで間違えないでくださいね」

「それも含めてだ!」

 面の皮が熱いなぁと、僕は部長へ内心突っ込んだ。


 この学校には時代の流れに逆流して部活動全員参加の義務がある。それはつまり、やる気のない部活動というのも存在しているということだ。我らが文芸部もその例に漏れず、やる気のない部活だ。だから部員が名目だけでも増えるのなら儲けものだと、この幽霊部員を歓迎している――筈だった。

 

「というわけで、我が文芸部が全部活の中で最も部員がいる部活動になりました」

 だが、ここまでの規模に成長するとは思っていなくて、顧問の先生に告げられた時は流石に驚いて、部長と顔を見合わせた。

 

「マジか?」

「マジみたいですね」

「マジですよ」

 部長と僕とののやりとりに、先生は素早く言葉を差し込んできた。一瞬その言葉を疑ったが、嘘をつくタイプではないはずだ。無駄が嫌いと言ってるし、よれよれのスーツにボサボサ頭だしきっと大丈夫だ。身だしなみは整えろよ思うけども。

 

「いいじゃないですか、別に何人いようと活動方針が変わらないんですから」

「そうだけどさぁ……文芸部って影日向にいることが華の訳で、壁の花がスポットライトに当たるのはちょっと不味いでしょ……」

「わーぉ、おしゃれな言い回しですね」

「うっさい茶化すな」

 良く分からない悩みで頭を抱え悶えているけれども、思考自体はきちんと回っているようだった。そんな姿を尻目に僕は先生に気になったことを聞いた。

 

「それで今、何人所属してるんですか? 50人位とか?」

「173人」

「――73人じゃなく?」

「173だ」

「2進数で表しているとかではなく?」

「0と1以外が入ってるだろ」

「……ですよね」


 流石の人数に言葉を失ってしまった。この学校ってそんなに生徒の数がいたのか疑問に思ってしまう。大体クラスの人数は30人でそれが7クラス、学年が3つだから……

「約30%が文芸部ってことですか」

「計算早いっすね部長」

「ピンチの時は頭がよく回るの」

「日曜の朝にやってる番組の怪人みたいですね」

「うるさい」

「いて」

 起き上がった部長のビンタを食らい、ヒリヒリとした感覚が頬にくる。そんな暴力行為を無視して、先生は手元のファイルから書類を取り出した。

 

「はいこれ。ともかく、もうすぐ予算会議あるんだから、その対策も考えて」

「……なんか対策の必要ってあります? 幽霊部員が多いんです、でいいじゃないですか」

「アホか、それよく見ろ」

「あぁ……」


『文芸部予算:部誌作成(所属人数に比例するものとする)』

 先生が持ってきた書類にはそんな事が書かれていた。だがそれだけでは納得できず、僕は首を捻った。

「美味い言い訳を考えろってことですか? それならプロである僕にお任せください」

「違います! "人数に比例する"って明記してんのが不味いの!」

「はぁ……」

 さっきとは一転、今度は部長の弁論術が疲労された。

「はい君! 去年の存在部員と、今年の存在部員はそれぞれ何人でしたか!?」

「去年は8人、先輩が6人卒業し、今年は実働部員は2人です」

「正解! では部誌は毎年人数の多さに比例して、ページ数が増えていたのは覚えている?」

「出来るだけ同じくらいのページ数にしようと努力だけはしましたが、先輩達が好き勝手書きますからね。覚えていますよ」

「そう! つまり人数に合わせて部費を大量に請求することになってるんだ! それが今年は約20倍! つまり部費も20倍とは言わないけどめっちゃ請求したの! それを使いきらなきゃ来年以降活動資金が貰えない状況になるの!」

 そこまでいって、今自分たちが、どれほどの崖っぷちに立っているのかが分かった。

「――つまり、二人でどうにか部誌のページ数を産めなきゃいけない状況ってことですか!?」

「やっぱ頭の回転は良いね君は! じゃあ作戦会議始めるよ!」

「はい、先輩!」

 そういって僕と先輩は、書類を持って部室から走り出した。




 ~Fin~


「で、これがAIに出力させた結果か……」

 部長が言いずらそうにその先の言葉を口ごもる。

「正直言って酷いですね……」

「あぁ、人間アピ―ルっぽく誤字をしてるが校閲が面倒なだけだし、表に出てない唐突な情報で物語を展開してるのが特に酷い」

「これを部誌のページ埋めに使う案は厳しいそうですね……」

「良い案だと思ったんだけどな、AIに幽霊部員の肩代わりをさせるっての」

「……諦めましょうか」

 はぁ、と僕たちは深いため息を交わした後、再び机に向き合うことになった。現実は、打ち切り漫画の様に投げっぱなしになるものではないことが、幸運なのか不運なのか。すくなくとも、今回に関しては不幸以外の何物でもなかった。

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