第3話
〇ショッピングモール(夕方)
三枝「ふうー、なんかいろいろ見て回ってたらもう夕方になってたわねえ。中にあった映画館で見た映画も面白かったし、大満足よ」
しばらく二人でゆっくり歩く。
三枝「ねえ、このあとはどうする? あたし今日は家族が出かけてるから一人なんだよね。うーん、大人しく家に帰るか……あ!」
あなたのほうを見る三枝。
三枝「ねえ、あんたの家は誰かいる? え、そっちも親が出かけてて家にいないって? だったらあなたの家にお邪魔していい? なんでって……朝、喫茶店で話してた時新作の格ゲーあるって言ってたじゃん。それをやらせてもらいたいの。駄目かな? ついでに一人で家にいるのも寂しいからあんたの家に泊まっていい?」
小首を傾げて懇願するようにあなたを見つめる三枝。あなたは渋々といった感じで彼女の要望に頷く。
三枝「え、オッケー? やったあ! あ、泊まるための道具はあんたの家に向かう時に取ってくるから! それじゃさっそく行きましょう!」
*
〇あなたの家に向かう道
最寄り駅で電車を下りてあなたの家に向かって歩いている。周りに人はいない。
三枝「はあ、夕焼けが綺麗ね。ん? こんなことを言うのはらしくないって。あはは、あたしだってそういった感傷的な気分になることもありますよー。誤解されるけど、賑やかなところよりこういう静かな雰囲気のほうが好きなのよね、あたし。あ、ちょっと笑った! なに? がさつな性格して結構可愛いところもあるんだなですって? 失礼ね! あなたとあたしならからかうのはあたしのほうでしょうが」
素早い動きで首に腕を巻き付けてくる三枝。あなたは身動きがとれず、硬直する。彼女はにやにやしながらあなたの耳元で囁きかけてくる。
三枝「あたしをからかおうとした罰で~す。ほら女の子に抱きつかれて硬直するくらいうぶなくせに! あんたがあたしをからかおうとするなんてまだ早いんですよ~だ!」
あなたの照れた様子を見て満足したのか三枝は首に巻き付けた腕をほどいて体を離す。
三枝「からかうのはあたしの専売特許だぞ。分かったか!」
彼女の力強い宣言に頷くあなた。
三枝「ふっふっふ。分かればよろしい。あ、あんたの家が見えてきたわ。あたしあのゲームめっちゃくちゃ楽しみだったのよね。よし、早くあんたの家に着いてゲームをプレイするぞぉ!」
*
〇あなたの家(自分の部屋)
三枝「ふう、ここがあなたの部屋なんだ。へえ、結構綺麗なんだね、男子の部屋ってもっとちらかってると思ってた。偏見? いやー、だって男で掃除をちゃんとする人あまり見かけないよ。掃除してるだけで偉いっていうかさ。いや、これは冗談抜きで褒めてるよ」
三枝「ふう。じゃあお目当てのゲームをやるとしますか。それでゲームはどこにあるの?」
三枝に急かされゲームの用意をするあなた。
三枝「ふっふっふ。あんたとこの格ゲーのシリーズで対戦するのは久しぶりね。私の腕が衰えていないことを見せてあげるわ!」
嬉嬉とした表情でコントローラーを握る三枝。あなたも苦笑しながらコントローラーを握る。
三枝「それじゃ始めましょう。まずはキャラクターの選択。あたしは……使い慣れているこのキャラで行くわ。あんたは……ああ、成る程。いつものキャラだね。よし、お互い使用キャラは選んだから次はステージを選ぶと。んーとどこがいい? え、ランダムでいい? まあ、ステージが分からないでプレイするのも一つの楽しみではあるけど。よし、それじゃあランダムを選ぶわね」
ステージを選択、対戦が始まる。
三枝「よーし、負けないわよ! あ、くそ、やられた! おかえしだ、コノヤロー。よし、これで同じ! 最終ラウンドだ」
無言で対戦に集中する二人。一進一退の攻防がしばらく続く。
三枝「ぐう、やるなあ。くそう……。あ、隙あり!」
あなたの操作キャラのHPが尽きる。画面に三枝の操作するキャラクターが勝利したことが表示されて対戦が終了。
三枝「よっしゃああああ! 勝ったあ! へっへー、どんなもんよ! これで50勝49敗。あたしの勝ち越しだ。へ? 勝利した回数覚えてたのかって。そりゃ覚えてるわよ。だって私とちゃんと戦えるのあんたくらいだし。ん? 一日どれくらいゲームしてるのかですって?
えー、あー、学校から帰ったらほぼずっとやってる。ちょ、ちょっと引かないでよ! ちゃんと宿題とかやった上での話だからね。流石に学生の本分をおろそかにしたりはしません。それじゃまた何回か対戦しよう!」
三枝「あ、今度は負けたあ! くっそう……結局また引き分け状態に戻っちゃったじゃん。んー、でも少し疲れたから休憩。それが終わったらまた対戦しましょう」
しばらくあなたと三枝は対戦をし、その後ソフトを変えてゲームをプレイした。
三枝「あー、久しぶりに思いっきり戦えて楽しかった。ありがとう、また対戦してくれると嬉しい。あ、もう19時回ってる。結構ゲームやっちゃってたねえ。そういえばさ、お腹空いてない? あたしはもう限界です。 んー、どうする? なにか作る? それとも配達で頼む? ピザ食べたい? オッケー、じゃあ頼んでおくわ」
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