第13話 起死回生
けれどこの粉砕機が追っているのはソレでなく、もっと活きの良い死ぬ手前。見慣れたクズよりも真新しさを匂わせる、どこかの学校の制服姿をした少女だった。
少女の足は決して速くはない。だから十字路を曲がった
あとはただ
粉砕機は部屋の角から角へと移り、奥へ奥へと突き進む。そして次の角に狙いを定めた。そこはこの四角形の室内において、最後の角となる場所だった。
追われた獲物の大体が狩人から距離を離そうとする、だからご多分に漏れず少女もそこで小さくなっているはず。
粉砕機はその確信を以ってよりゆっくり、じっとりと迫っていく。そして這い寄る閃光が、その少女と
すると、
粉砕機の手中の車輪から巻き起こる火花が、死を突きつけられた彼女の恐怖に歪んだ顔を照らす。
かと思いきや、照らし出されたのはその辺に転がる死骸の表情でしかなかった。追って来た少女とはあまりにもかけ離れた
グオオオォォォォオオオ!!
予想を裏切られた憤怒の声が粉砕機から発せられる。そして烈火の片手を更に一段と唸らせたかと思えば、その死骸の首がいとも軽々しくふっ飛んだ。
放物線を描きながら死骸の山に加わる首に続いて、粉砕機は即座に
ドタガタと騒々しい音が暗い部屋から遠ざかっていき、無残に首の
生え変わった頭部は左右に振り、バサついた髪につくコンクリートの削り
「助かったの・・・?」
「うん」
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