第3話 期待
学び
それらすべてが耳から脳へと届いて、毒性の強さを発揮する。しかも
キーンコーンカーンコーン
そしてまたもや、一日で使える体力の5割を捧げてまで登校した
(頼むから静かにしてよ。たかが高校生の2~3分に大した価値なんて無いんだからさ・・・)
すると、出口へうごめきだす群れの中から流れに逆らう川魚みたいにわたしの席へ進んでくる者がいた。スラっと伸びた2本の黒い生地の棒。それらの真ん中にはくっきりと美しい折り目がついている。
わたしは机に首を
ネクタイとシャツはちょっとだけ崩れている、というのに意外と髪や爪などの要所は整っているのが
「
「・・・・はい」
食堂中毒者のいなくなった教室は
普段から目立たないわたしに、容姿ランキング1位の男が声をかけてくるなんてそうそうない。なので。
だから。どうした?わたしが羨ましいか?とでも言いたげに横目でソイツらを流し見てやった。
「実はさ・・・前からずっと、
いつもはハキハキと言い
ならばとここで背筋を伸ばし、これからわたしを至高の優越感に導いてくれる言葉を受けるに相応しい姿勢をとってみた。
「・・・なに・・・かな?」
左手でバサついた髪を耳にかける。普段ならこんな事は絶対にしないが、勇気を振り絞ってわたしの前に歩み出た彼に対するファンサービスだ。
「えーっと・・・」
「お風呂くらいは入った方がいいよ?ちょっと臭うから・・・それじゃ」
そう言うや否や
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