第2話 タネ明かし
結局俺は床で寝た。彼女の言うとおり、檻の中の寝床よりは百倍ふかふかとして…、いや、ゼロに何をかけようともゼロなのだから、…うん。まあ、とにかくずいぶんとマシではあった。悲しいことに。
「あら、起きたのね」
意外なことに、ミコは俺より先に起きていた。
「意外とは何よ。それより、朝の挨拶も出来ないの?」
「ああ、そうだな。おはよう」
「はい、おはよう。あなたはこの通り、全く常識ってもんがないんだから。朝、誰かと顔を合わせたら挨拶をすることも知らないし、レディーの起き抜けの顔をあんまりじろじろ見るもんじゃないってことも知らないし、床に寝るよりベッドに寝る方が千倍気持ちが良いってことも知らないし、それに何より」
「言葉を発していないのに、相手に考えていることが伝わるなんておかしいということも知らないなんて」
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