第24話絶叫
意識がまだどこかにとんでいったままだ。線香の煙にまかれているかのようにかすみがかっている。
アパートの駐車場に車を停める。降りると、ワン太郎の吠える声がした。不審者か? と見まわしたが僕意外は誰もいない。どうやらいつもと雰囲気が違う僕を、見知らぬ人間と判断してしまったらしい。とても賢い犬だ。
「ちがうよ、僕だよ」
アパートの扉と自分とを指さすと、ワン太郎はなぁんだ、と言いたげな顔をして、ふん、と鼻を鳴らした。しかし、扉を警戒したようにじっと見ている。
「?」
ワン太郎の視線をたどる。
と、そこには水色のワンピースを着た幼いこどもがちょこんと座っていた。
「――ばぁちゃん!?」
僕の絶叫に、ばぁちゃんは、えへへ、と、ばつの悪そうに笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます