第3話

 暗い闇のような世界にわたくしはいる。ここはどこなのかしら。


「…………」


 だけど、もう……どうだっていい。

 わたくしにはもう……何もない……

 彼を取られてしまった。


『うふふ、あなたは、本当にそれでいいの?』


「彼はもう、わたくしから離れてしまったのよ」


『あら、残念、諦めてしまうのね』


「う、うるさい!」


『うふふ、あなたになら見せてあげてもいいのよ。彼とあなたが愛し合う姿を、あなたはこの先、ずーっと、その姿を見続けることができるの。彼はあなたから二度と離れられないわ。……永遠とわにね』


「そんなこと……出来るわけが……」


『簡単よ、儀式を行いなさい』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る