雲を注ぐ

梨菜「あー。」


波流「何々、急に大きな声出して。」


梨菜「波流ちゃん、この後暇?」


波流「見ての通り。」


梨菜「だよねぇ。」


波流「うん。」


梨菜「だぁーよねぇー。」


鞄を既に肩にかけており、

帰る気満々の姿に投げかけるような

質問ではなかった様子。


放課後になった途端

喧騒は息を吹き返していた。

湿気が多くとも

台風が過ぎ去ろうとも

喧騒達は何も影響を受けていないようで。

台風が近づいた時は

このようなざわめきは尚

生産されていたんだっけ。

結局、台風は熱帯低気圧に変わり

今では消滅していったが、

時折お土産として強い風が吹いている。

狼狽えることなく

そのまま外に出たものならば、

前髪はご臨終する未来は

確実に見えるのだった。

この蒸し暑い中、

風があるのは十分嬉しいことなのだが、

何事もやりすぎだと良くない。

そんな言葉に甘えて

怠けているのがまさに私だった。


波流「不満ですかい?」


梨菜「ちょっと。」


波流「そりゃ何で?」


梨菜「私は暇だから。」


波流「あー…だから一緒に遊びに行きたかったとか?」


梨菜「まさにそう。」


波流「テスト期間なのに?」


梨菜「午前で帰ってずっと勉強なんて信じられない!」


波流「あはは。そうだなー、暇を謳歌できるのも今のうちだよ。」


梨菜「わ、知った口を!」


波流「忙しいのも大切だけどね。」


梨菜「どっちがいいんだろ。」


波流「どっちもじゃない?」


梨菜「いい塩梅でってやつ?」


波流「そうそう。」


梨菜「でた。人によるって言葉くらい汎用性あるやつ。」


波流「あはは、人によるっていつ使うの。」


梨菜「うーん…例えば、勉強がうまくいきませんって相談したら、粗方方法は教えてもらえるけど最後に人によるけどねってつくみたいな。」


波流「あー、なるほどなるほど。」


梨菜「いいくらいでって1番ずるい。」


波流「でも楽なんだし、それが割と妥当なのだよ。」


梨菜「波流せんせー…。」


波流「うむ、なんでも聞きたまえ。」


梨菜「最近どう?部活とか。」


波流「急に普通の質問するじゃん。」


梨菜「何でもいいから質問しまくれば波流ちゃんは話してくれると信じた結果だよ。」


波流「さては私が帰るのを阻止しようとしてるなー?」


梨菜「そ、んなことない…よ?」


波流「うん、その気しかないね。」


梨菜「時間の許す限り波流ちゃんと話してから帰る!」


波流「あはは、はいはい。5分10分くらいなら全然いいよ。」


梨菜「いいの?」


波流「ぐいぐいきた割にそこで遠慮する?」


梨菜「すぐ帰りたいんじゃないの?」


波流「10分くらいいいの。気を抜くには必要な休息ってことで。」


梨菜「そっか、ならいいや。」


同級生は次々と

各々の目的地へと向かって

足を運んでいるのが見て取れた。

早い人は、号令をしてから

たった1分もしない内に

飛び出していったことだろう。

かたかたと窓が鳴き出していた。

風が吹いたらしい。


梨菜「そういえばさ、最近どう?」


波流「部活だっけ。」


梨菜「そうそう。とか、他のこととかも。」


波流「他のこと…テストはまずいね。」


梨菜「ね、分かる。終わったよね。」


波流「ほんと。小テストですら取れないのに。」


梨菜「留年?」


波流「あはは、流石にそれはないよ。」


梨菜「ならよし。」


波流「梨菜はいっつもぎりぎりを攻めてるよね。」


梨菜「最低限できたらよし。」


波流「気楽に生きるのが1番だよ。あはは。」


梨菜「私もそう思ってる!」


波流「じゃあ願ったり叶ったりって感じだね。」


梨菜「まさにまさにそうなのです。」


波流「小学生の頃から変わらないよね。」


梨菜「そうなんだよねぇ。それでいうと最近波流ちゃんはねー、変わった気がする。」


波流「え、私?」


梨菜「うん。」


波流「どこがどこが?顔?」


梨菜「それは怖い話になっちゃうじゃん。」


波流「いやいや、そうじゃなくって髪の毛切ったねとかそういう話かなって。」


梨菜「ううん、違くてね。なんていうかな…感覚的に…うーん…こう、色が変わった。」


波流「え?色かぁ。」


梨菜「そう。例えるならクラスのカラーとかあるじゃん?ああいう感じ。」


波流「私はどういう感じで変わった?」


梨菜「そんなに気になる?」


波流「そりゃあね。」


梨菜「うーん、優しくなった!」


という言葉選びが正しいのか

自分自身でさえ答えは出ない。

ただ、それとな感じたのだ。

最近も明るい顔はしていたけれど、

何か考えているのだろうと

思うことが多々あった。

幼馴染ながらの勘というものか。

これに名前があるのなら

簡単に形容できるのだが、

生憎今の私には備わっていない言葉だった。


波流「ちょっと、これまでが優しくなかった見たいじゃん!」


梨菜「あはは、そんな意図ないよー。」


波流「ふふ。あー、でも思い当たる節あるかも。」


梨菜「優しくなったなーって?」


波流「っていうよりかは変わったなって感じるきっかけっていうかさ。」


梨菜「へえ。」


波流「考え方とかを変えてもらったっていうか…。」


梨菜「ふうん?」


波流「大人になっちまったなーみたいな?」


梨菜「あ、調子乗った。」


波流「最後のは冗談だけど、私の中で色々考えることはあったよ。」


梨菜「そうなんだ!相談してくれればよかったのにー。」


波流「あはは、ごめんごめん。」


梨菜「10年来の仲、泣いちゃうぞ。」


波流「あははっ。でも時間的に難しかったし、他の人も大きく関わってきちゃってたから、今回はお休み。」


梨菜「そっかぁ。じゃあ仕方ない。」


波流「うむ。寛容でありがたい。」


梨菜「でもさ、よくいうじゃん?」


波流「何を?」


梨菜「高校では一生の友達が出来るって。」


波流「それ大学でもいうよね。」


梨菜「どっちが真実かは分からないけど、私たちの場合当てはまりそうにないなって時々思うわけですよ。」


波流「と言いますと?」


梨菜「出会いは多くあれど、結局こうやって2人で話す時間って多いし、幼馴染の関係ってそう簡単にきれないもんだなぁって。」


波流「え、関係切るつもりだったの?」


梨菜「違うよー!」


波流「分かってる分かってる。どぅーどぅー。」


梨菜「ふしーっ。」


波流「あはは…まぁ…言いたいことはあれだよね?その、思ってる以上に関係は薄くならなかったねってことだよね?」


梨菜「そう!そういうことー。」


波流「文系なのに言葉選びはランクGと…。」


梨菜「理転しよっかな。」


波流「無理だよ。梨菜は数学駄目じゃん。」


梨菜「嫌いじゃないんだよ。使命感でやるから苦手なだけで。」


波流「じゃあ学校に通ってる間は厳しそうだね。」


梨菜「むぅ…それは確かに。」


波流「あはは。あ、そろそろ帰ろっかな。」


梨菜「私もかーえろっと。」


波流「そうだ、梨菜ごめん。」


梨菜「何の謝罪?」


波流「私、別の人と帰る約束しちゃって。」


梨菜「そうなんだ!私は…いない方が良さげと見た!」


波流「だからごめんねって…」


梨菜「なぁにそんなしょげてるの!」


波流「それは…何となく…?」


梨菜「理由ないならしゃきっとしてればいいんだよ。」


波流「確かに。」


梨菜「立ち直りだけは早いんだよね。」


波流「馬鹿にしてらっしゃる?」


梨菜「いいえ、とんでもない。」


波流「ふふ、ならよかった。じゃあまた明日ね!」


梨菜「うん!いってらっしゃいー。」


波流ちゃんは時計をちらと見た瞬間

そう口に出して、

あっという間に私に背を向けて

早歩きで去ってしまった。

いってらっしゃいと

手を振ったものの波流ちゃんは

振り返ることがなかった。

何だか、もう未来を見据えて

そこに突き進んでいるような

寂しいという感情が襲う。

私だけ取り残されてるみたい。

いつまでもここで立ち止まって

将来のことも考えず。


手を振り終えても下ろすことが

出来ないままに数秒。

周りに人がいることを思い出し、

変なポーズのまま止まっていたことが

急に恥ずかしくなって手を下ろした。

考えすぎか。

そうだった。

最低限の生き方でいいじゃないか。

これまでずっとそうだった。


対して見栄を張ることもなく、

駄目な部分を割と曝け出して

これまでの人生を歩んできた。

怠惰な部分なんて

星李や波流ちゃんをはじめ

多くの人に見られてゆくうちに

どうでもなくなっていったんだっけ。

頑張ることを忘れたわけではないけれど、

頑張ることにひとつ壁を感じている部分はある。

周りの人達は頑張っていて

偉いななんて思ったりもした。

私は出来ないから。


波流ちゃんはきっと

明るくて優しい人のまま成長する。

人に寄り添うことができて、

周りの人を巻き込んで

環境を変えていきそう。

美月ちゃんはしっかりしてるから、

秘書だとか国家公務員とかになっていそう。

けれど、支えるというよりは

自ら変えていきそうだな。


花奏ちゃんも明るくて天真爛漫だから

人の横で生きていくような人だろう。

嶺さんはクールだから、

冷静に物事を見ることができる大人になりそう。

長束さんはムードメーカーだし、

今後も人を楽しませることができてそう。

関場さんは周りを見ることが得意そうだし、

全体的に調整をする役割をしてそうだ。

三門さんは未知数だけど、

あのような人に限ってやる時はやりそう。

メリハリがつけて生きていそうだな。


他者と比べて気分が沈むことはないけれど、

それを見て自分に視線が向いた時、

どうにも言葉に表せない感情になる。


梨菜「………どんな大人になるんだろ。」


常日頃こんなことを

考えているわけではないのだが、

最近はこの系統の考え事に

行き着く資源が多すぎたのだ。

夢の話や波流ちゃんの

言い表せないような微妙な変化。

もうちょっとだけでいい。


もうちょっとだけでいいから

何か言葉に表したかったけれど、

指の隙間から全て滑り落ちてしまった。


梨菜「…かーえろ。」


家に帰ったら星李が

既に帰っているかもしれない。

あれ。

いつまで星李はテストなんだっけ。


今日みたいに考えすぎてしまった時は

星李のパワーを吸収することが1番。

そう思い立ったと同時に

鞄を肩にかけて

教室を後にしたのだった。





***





梨菜「ただーいまぁー。」


いつも通り声を上げてみるものの、

どうやらまだ星李は帰ってきていないようで

がらんとした空虚な音が

出迎えてくれていた。

星李が中学生になってからは

この光景に溢れたものだ。


梨菜「あれー、今日から通常なんだっけ?」


数日前にあと3日で

テストだとか言っていた気がするけど、

気づけば日付はするりするりと

私たちの横を駆け抜けていったようで、

もう1週間程前の話になっていた。

通りで明日は金曜ロードショーが

放送されるわけだ。


昨日星李は早く帰ってきていたっけ。

それすら記憶から抜け落ちている。

忘れたことさえ忘れてしまえば

こんなにもやもやすることも

なかっただろうに。

忘れたことさえ忘れる。

そうすれば落ち込んで生きるなんてことは

しないでいいとなるのだろうか。

比較的楽観的に

生きることができそう。

…だなんて、ただの主観を脳内で放った。


梨菜「…あ、お弁当。」


鞄を開き、特段焦ることもなく

ゆっくりとした所作で

お弁当の入った袋を取り出した。

いつも台所関係担当の星李に

任せてしまうのだが、

星李の帰りが遅いということは

部活まで参加して頑張っているということ。


梨菜「…よし。」


お弁当袋を片手に

いつの間にか玄関に据えかけた腰を上げ

キッチンの方へと向かった。

今日くらいは私が洗ってあげようではないか。

星李もテストが終わってすぐ

部活も始まったのだから

疲れて帰ってくるはず。

お弁当をひとつ洗わなくていいだけでも

疲労の差は違うだろう。


あぁ。

後で手を洗うことを

忘れないようにしなきゃ。

いや、最早キッチンで

洗ってしまえばいいではないか。


梨菜「ふんふふーん。」


蛇口を捻り、冷水を出す。

冷水を出したはずなのだが、

外の気温が高いために

ぬるま湯と化していた。

視界の端に欠けたコップが映る。


お弁当を洗いながら

明日のことを想像する。

明日は確か竜とそばかすの姫が

放送されるんだったっけ。

先週は時をかける少女だった。

タイムリープとか

非現実的なことって

どうやって起こっているのか

気になって仕方がない。

未来では解明されているのだろうか。

私たち人間は想像出来ること以外は

想像できない。

タイムマシンだとかタイムリープを

考えた人はどういった

思考回路をしていたのだろう。

とんでもなく夢想家だったのかな。


そう思うと、幾らかの生き物以外は

誰かが脳の中で描いているだけのものが

世の中に溢れかえっていると捉えられる。


梨菜「…難しい。」


自分で考えていて答えのないことに気づき、

ひと言呟いては蛇口を締めた。


昨日はこれまでに起こった

不可解なことについて

まとめようと思ったのだが、

何しろ2ヶ月、3か月も前のことで

思い出せないことが多かった。

それに、その後起こった

長束さんの出来事…。

彼女は何も覚えてない、

思い出せないとツイートしていたような

気がすることを思い出す。


嶺さんや関場さんは何かしらを

知っているだろうし、

だからこそ根府川駅まで行って

数日間居なくなって…

となったわけで。

ただ、ひとつ思うのは

解決したことに対して

深掘りをしなくても

いいんじゃないかなということ。


梨菜「…。」


宝探しの紙は全て花奏ちゃんが

保管しているはず。

Twitterを見返せば

様々な言葉が残っているだろう。

合計20枚は超えていたであろう紙束。

それら全てが何かのヒントなのだとしたら。

もしかしたら、私たちに降りかかる災難は

まだまだあるということだろうか。

そうとは思いたくなくて、

思わず自室へと向かった。

玄関に投げ捨てられた鞄を

片付けることもせず

私の手元に残るのは

あの少々奇妙なアクセサリーらしきものだけ。


梨菜「うーん。」


結局誰のものだったんだろう。

そもそもこの事態は誰が。


…。

…。

…。


唸るばかり。

終いには机に伏せながら

隣にアクセサリーを佇ませる。


梨菜「…。」


誰が。

…。

何のために。

…。

…。





***





「お姉ちゃんただいまー。」


次、意識を取り戻した時に

耳に届いた言葉はそれだった。

夏の朝のような清々しいものではなく、

疲労に塗れた夕方らしい声。

部活も終わり帰ってきたよう。

通常授業だとすると

6時間もあるのだ。

その後に部活なのだ。

社会人が働くよりも

大変だろうなと思っている私は

まだまだ子供ということなのだろう。


廊下では、靴を脱いだような音から

鞄が泣き喚く音、

そしてきいんとしかけた声が

私の元にまで届く。

自室の扉は開きっぱなしにしていたようで

直接響いてくるのだ。


星李「お姉ちゃんー?」


梨菜「なにぃ…。」


背もたれに十二分に体重を預ける。

すると、かくんと首は後方へ傾き、

絶妙に息のしづらい体勢となってしまった。

ひょこ、と妹の顔が覗く。

と思えばため息をひとつ吐いた後、

遠慮なんて言葉を

知らないのではないかと思うほど

断りもなく私のベッドに座ったのだった。


星李「その声…寝てたでしょ。」


梨菜「うん、沢山…。」


星李「ちょっと、明日もテストでしょー?」


梨菜「うん…でも眠かったんだもん。」


星李「赤点だけは取らないようにね。」


梨菜「そうはならないように頑張る。留年はしないよ…。」


星李「留年されたらお金的にも困るから!」


梨菜「分かってるって…。」


星李「もう、本当に分かってるんだか…。」


梨菜「大丈夫大丈夫!」


星李「身の回りのことで精一杯なのに?」


梨菜「それとこれとは別だよー。」


星李「もう少し妹離れをして欲しいなって思うんだけど。」


梨菜「あ、そういえばさ。」


星李「露骨に話逸らしたね。」


梨菜「まぁまぁ。あのさ、コップ割れちゃったの?」


星李「あぁ、ヒビが入ってたやつ?」


梨菜「そうだっけ。なんか少し欠けてたよ。」


星李「そうなの。洗ってる時落としちゃって。」


梨菜「怪我なかった?」


星李「うん。シンクに落とした感じ。」


梨菜「そっかそっか。ならよかった。」


星李「よくはないけどね。」


梨菜「じゃあ、お姉ちゃんから提案ひとつ。」


星李「何?」


梨菜「週末、コップ買いに行こう!」


星李「一緒に?」


梨菜「勿論。部活ある?」


星李「日曜日は休みだよ。」


梨菜「ほんと!やったー!」


星李「他にもどこかいきたいところある?」


梨菜「どうしたの、急に優しいじゃん。」


星李「前々からどっかいきたいって言ってたし…それに、テストも終わったから気兼ねなく遊べるなーって思って。」


梨菜「遊ぶ。気兼ねなく遊ぶ!」


星李「お姉ちゃんはいつだって考えてないでしょ。」


梨菜「失礼な!コップ買うならお揃いがいいなとか、妹が逞しく成長していて嬉しいなとか思ってるもん。」


星李「そんなこと考えてる暇があったらほら、さっさとテスト勉強をしたした!」


梨菜「スパルタだぁ…。」


星李「頑張ったら明日は映画の日でしょ。」


梨菜「頑張らなくても明日は来る…。」


星李「頑張った方が素晴らしい明日が来る。」


梨菜「お、名言。」


星李「頑張らないなら明日のおやつは7割もらう。」


梨菜「えっ。プリンも…?」


星李「プリンも。それに、週末も遊びに行かない。」


梨菜「やだやだ!」


星李「なら頑張ろ、お姉ちゃん。」


梨菜「はい…。」


明日は映画の日。

楽しみにしていた日。

待ち望んでいた日。


明日はプリンの他に

何のおやつを買って帰ろうか。


早々に家に帰ってもいいのだが、

星李は部活が終わってから帰ってくるし

学校で時間を潰すのもいいだろう。

散歩をするのだっていいし、

それこそコップの下見に行くのも

いいのかもしれない。

けれど、星李とのショッピングを

存分に楽しみたい身としては

ネタバレを食らうようであまり気は進まない。

色々案は浮かぶけれど、

結局学校でぼうっとして終わるのだろうな。


あぁ。

勉強を頑張れば

楽しい金曜日、そして週末がやってくる。


梨菜「よーし。」


勢いをつけて椅子から

背を剥がし机に向かった。

すると、例のアクセサリーと目が合う。

それを乱雑に机にしまった後,

鞄を取りに玄関へ向かった。


勉強は得意ではないけれど、

少しばかり頑張ってみることにしよう。

少し頑張って、最高の明日に

備えようではないか。

明日だってテストがあるのに、

私の心は踊って足を止めることはなかった。

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