悪党に攫われるお姫様と、それを救い出す勇者の物語。
いわゆる異世界ファンタジー、古典的なゲームのような世界が楽しいお話です。
囚われの姫というのはひとつの類型であり、それを救う英雄的存在とセットでお馴染みの存在(かつ展開)……ではあるのですけれど。
それにしても若干、攫われすぎな感のあるお姫様。
一体、どうしてそんなに繰り返し誘拐されてしまうのか……?
表向きは王道のような展開を繰り広げながらも、しかし明らかに何か裏があると、そうわかるところがとても印象的な物語。
一体どのような真相が待ち受けているのか、ここでは具体的には触れませんが、それが詳らかになる幕引きがとても好き。
果たしてこれをハッピーエンドと見るか、それとも悲しい結末と読むか。
考え方や観点次第でいろいろな解釈ができそうなところが素敵なお話でした。