15話試験

 ☆☆☆

 キーンコーンカーンコーン♪

(終わった。手ごたえはあるが5教科1日で詰め込むとか強硬日程だよな)

「おつー」

「お疲れ。出来は?」

「まぁまぁだ。学年3位以内には入って見せるさ」

「流石」

(俺はそこまでいかない。30位から50位以内がせいぜいか。

 試験終わったら連絡しろって言われてたよな)

「バイト先に連絡しないと」

「そ。がんばー」

 プルルル♪

「伊丹です。あら、試験は終わったかしら?」

「はい。日程の調整でしょうか?」

「そうねぇ。今度の土曜、来れるかしら?」

「はい。大丈夫です」

「土曜はきっちりむくみ取って、髪型決めてきてね」

「え?」

「わが社のポスター撮影があるから。

 そのつもりでお願いね。相手役は今話題のアイドルグループのASD41。

 霧崎あかねさん。当日、彼女のプロフィールわたすけれど、

 可能なら下調べをよろしくね」


「なんでプロの俳優さんをキャスティングしないんですか?」

「広告経費削減とわが社の執事たちの宣伝のためよ。よろしくね」


 プッツン。ツーツー。


 行くしかないようだ。霧崎あかねといえば今人気急上昇中のアイドルだ。

 身だしなみを完全に整えていくしかない。

 あたらしいタキシード着るべく、気合を入れなくては。

 いまから緊張する。


 

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