12話 ポスター

 次のバイト日、本社へ行くと大々的に告知ポスターがあった。

【推しの執事に魔法をかけてもらうと、めでたいことが起こるかも】

 ピンクのバックに黒のシルエット。

 男性はひざまずいて手の甲にkissしているので執事役なのだろう。

(大分ゴスロリによったイメージだな。

 こんなに伊丹さんの趣味反映させていいのかよ)


 あきれていたが、なんと実績が出始めたらしい。

 2か月ほどすると本当に聞き出す事例が出始めた。

「彼氏できました」

「資格受かりました」

「内定取れました」

 めでたい報告が続く。


 SNSで本社のイベント、

 俺の口コミがバズったらしく、

 俺のアカウントが特定された。


 いつの間にか承認要請が40件以上来ていた。

「あぶねぇ。鍵垢にしておいて本当に助かった」

「だねぇ。これでお前もイケメンの仲間入りジャン?

 注目される苦痛を一緒に味わおうぜ☆」

 イケメン親友はとてもうれしそうである。

 そんなにも俺が注目を集める存在になったことがうれしいらしい。

「オレ、隅にひっそりいたいんだよっ」

 無理矢理に連れ出されたものがこんなに人気がでるなんて。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る