第8話 認知されていない男児
四騎士の一人マタルと
「マタル家に養子として入っていたハイドです。
お久しぶりです。叔母上。」
マタル家の嫡男であり
次期騎士と噂されるハイドだった。
ハイド-マタル
マタル家現当主の嫡男であり次期当主とも噂され、
その実力は他の四騎士も認めるほどだという。
ただ、彼の戦い方は少し特殊だという噂を聞いたことがある。
何でも…剣を逆手で持ち、左手は何も持たず足技を使うとか…。
「貴方が、レ・ワイズの娘だという証明は出来るのですか?」
先程までとは違い少しだけ
だけれど確実に音を緩め言葉を紡ぐ母上。
相対するハイドは口角を少しあげたまま
「『我誓約を司る者。
汝ら求む宝玉を護りし者。
我名はレ・ワイズ・インズ・アレティ。
我の剣は国のため
我の命は民のため
全ての者への安寧を誓い
其れを阻む全てを凪ぎ払う
剣となることをここに。』」
ハイドは滞ること無く言葉を紡いだ。
何かの誓約を。
「叔母上は聞き覚えがあるでしょう?」
先程と寸分違わず口角をあげたままの
ハイドに私は不気味さを感じた。
確証は無いが、危険な人物であるような
そんな危機感を抱いた。
「これは我が母が成人の際に立てた誓約。
この内容は血縁者にしか伝えられないもの。
であれば、この内容を知っていることが
私がレ・ワイズの血縁者であることの証明かと思いますが?」
-この国には成人する皇族は各々が誓約を立てる。
それは秘匿の儀式であり
皇族である血縁者にのみ継承されるもの。
-という風習がある。
自分の家族の誓約を知り
自分はどんな誓約を立てるか
それを考えていくのが幼い頃からの習慣だった。
(確かに、誓約を知っているなら、彼が血縁者なのは間違いない。)
(…誓約が合っているならば。)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます