2.そこまで大声出さんでも聞こえる

 くるくると。

 手裏剣のように回転した後、ミスカは着地。氷樹をなぎ倒して墜落したグラウカを一瞥すると、足早に一郎へと歩み寄る。


「今の内だ、逃げるぞ」

「エッこの流れで!? 今の凄いキックで倒したんじゃないの!?」

「そんな出力は出せない。今はな」

「やろうと思えば出せるんだ」

「まあな。そしてヒトで例えるなら、あんなのは頭をぶつけてバランスを崩して派手に転んだ程度だ」

「それはそれで結構致命傷になりそうな気もするけど」

「生命体ならそうかもしれんがな。生憎とアレはそうじゃない」

「乗り物なのか」

「無人機だ。有人仕様機もあるにはあるが、それは大抵指揮官以上の者が……いや、そんな事は後だ。安全圏へ退避する」

「そうはいってもどこだよ安全圏」

「あそこだ」


 ミスカが示したのは、先程自身が繋げ直した空間の亀裂。つまりは一郎の部屋であった。


「成程! だったらいかにも一息つけるな!」

「うむ」


 頷きつつもバックラーを構え、警戒するミスカ。視線の先、頭部の損壊したグラウカ。四肢が微動している。ダメージコントロール。再起動が近い。


「急いでくれ、加藤一郎」

「ああ」


 一歩。踏み出しかけた足を止め、一郎はジットを見た。


「いや、そうだその前にジットくん、キミも来ないか? こんな所に居たら危なすぎる」

「えっ? で、でも」

「おい加藤」


 それぞれに困惑するジットとミスカ。

 結果的にはその足踏みが、三人の命を救った。


 ごう。

 轟く爆音。

 迸る爆煙。

 それらが突然、全員の目と耳に飛び込んだのだ。


「な、んだ」


 視界の全てを埋め尽くす黒煙は、しかし一定の距離からはまったく近づいてこない。透明な、大きい、半球状の力場が一郎達を守っているのだ。

 そしてその半球の中央には、誰あろうミスカ・フォーセルが立っていた。


「スゲエ! 防いだのか! 何から!?」

「勿論、グラウカの攻撃ですよ!」


 言って杖をかざすジット。何らかの魔法が働くと、視界を埋め尽くしていた煙の山がたちまち晴れる。

 そうして三人の前に姿を現したのは。

 ぎこちなく上半身を起こした体勢で、左腕を三人に向けているグラウカの姿だった。

 握られているのは、拳銃に似た武器。ミスカには分かる。腰部装甲に内蔵されていたハンドガンだ。しかも爆炎から察するに炸裂弾。見た目は銃弾でも、威力は爆弾である。

 一郎は慄いた。


「おいおい、あっちにとっちゃ拳銃サイズでも、こっちからすりゃ大砲も良いトコじゃねえの?」

「確かにそうですが、どうやら、そこまで心配する必要はなさそうですよ」

「どうしてだよジット君」

「よく見て下さい。先程のフォーセルさんの一撃で、あのグラウカは頭部に深い損傷を受けてます。なので」


 発砲。

 迸る銃声がジットの説明をかき消す。ややふらつきながらも立ち上がったグラウカが、二発目の引き金を引いたのだ。

 着弾。爆発。またしても巻き起こる猛烈な爆煙は、しかし三人を守る半球フィールドへ傷一つつけない。

 その代わり、炸裂は三人の左手にある氷樹を何本もなぎ倒した。


「な、なんでこんな真似を? 自然破壊が趣味なのか?」

「その可能性もゼロではないが、理由として最も考えられるのは、先程僕が頭部へ与えた損傷の影響だろう」


 ミスカに言われ、一郎は改めてグラウカの頭を見る。確かに円柱状の頭部ユニットは真ん中辺りで見事に歪み、モノアイはレールから飛び出している。


「わー。なんかの前衛芸術みたいになってる」

「射撃制御もまともに出来ない以上、逃走には今が最適。初撃で頭部を狙ったのが功を奏しましたね」

「そうだな。後はこの煙に紛れ、地球に逃れてしまえば」


 丁度その時、煙の一部が晴れた。奥から現れたのは、先程ミスカが繋ぎ直した次元の狭間のある氷樹。


 ではなく。未だ熱を帯びる直径二メートルほどのクレーターであった。


「ん?」

「えっ」

「あれっ」


 三人は目を剥いた。それからまじまじと見た。

 だがどんなに探しても、見当たるのは大きい穴ぼこだけだった。


「すいませんフォーセルさん、質問よろしいでしょうか」

「何だ加藤」

「次元の亀裂というヤツは、ひょっとして爆発に弱かったりするのでございましょうか」

「察しがいいな、その通りだ。そもそもどんな魔法だろうと、魔力の供給が絶たれれば脆いものだ。もっとも」

「もっとも、何」

「完全に亀裂が閉じ切る前に、爆風の何割かは向こうへ行ったかもしれないと思ってな」

「ウワーッ!! 修理費!! いやそもそも追い出される!!」

「そ、そんな事言ってる場合じゃないですよ!? 逃げ道が!」


 などと、三人が喚きたてていると。

 不意に、頭上へ影が差した。

 見上げる。目が合う。ひしゃげ、飛び出たモノアイと。

 グラウカが、こんな近くにまで移動していたのだ。


「足音、しなかったような気が」

「歩いてないからだろう。見ての通りスラスターで浮いている。歩行機能にも何かエラーが起きているのかもしれんな」

「なるほどー」

「諦めた顔しないでくださいよ加藤さん! まだ一機だけなら」

「ああ、まだ一機。しかも故障中であれば」


 ぎこちなく、ハンドガンを三人へ向けるグラウカ。照準。引かれる引鉄。


「勝機は、まだあるッ!」


 ミスカが叫ぶと同時、銃弾は着弾。今度こそ防御フィールドに激突した衝撃は、それまでに倍する音と衝撃をもたらした。一郎は転んでしまった程だ。

 しかし、ミスカは逆だった。再び跳躍したのだ。

 一直線の急上昇。狙うは、やはり頭部。半壊状態のものを全壊とし、機能停止を狙う算段。

 だがグラウカとてその程度は読んでいる。上がる右腕。内部機構展開。顔を出したガトリングガンがミスカを照準。射撃。虫を払うようにばら撒かれる弾幕。


「ほう」


 一部始終を地上で見ていたジットは、息を呑んだ。ミスカの見事さにだ。

 ミスカの上昇は突如稲妻じみた直角軌道へと変わり、横殴りの弾雨を回避したのだ。

 勿論完璧な回避ではない。数発受けている。だが彼の防御フィールドを破るには至らない。

 ガトリングガンをばら撒きながら、グラウカはなおミスカを追う。宙を蹴り、ミスカは逃げる。必然的にミスカはグラウカの周囲を旋回するような形となり、グラウカはそれを追って緩やかに回転する。

 一回。二回。三回目の回転に移りかけた時、グラウカの身体が少し傾いだ。ダメージによる影響だろう。

 ミスカはこれを待っていた。


「しゅっ」


 バックラーを構えつつ、鋭い呼気を吐くミスカは、一層強く宙を蹴った。

 生じるのは弾丸じみた速度の飛翔。その照準先には、当然のようにグラウカの側頭部があり。

 見事な宙返りを一つ打った後、ミスカの右足裏が側頭部へと直撃した。流星の如き跳び蹴りであった。


「す、げ」


 呆気に取られる一郎の視界の中、ミスカは反動で斜め上へと跳躍。一方二度目の蹴りを叩き込まれたグラウカは、その頭部が根元から千切れ跳んだ。

 程無くグラウカの背部、及び脚部のスラスターから光が消える。まっすぐに落下。轟音と、砕ける氷樹の飛沫をまき散らす。

 かくて停止したグラウカを背後に、ミスカは片手と片膝を突いて着地。すぐに立ち上がるその表情には、しかし勝利の喜びなぞ無い。


「さぁ今の内、と言えれば良かったのだが」


 渋面を浮かべるミスカ。一郎は尋ねた。


「なんだよ、どうしたんだよ。また次元に穴開けて、改めて俺の部屋に避難すればいいだけじゃないの?」

「簡単に言ってくれるな加藤。確かにそう出来れば良かったんだがな」

「なんだよまたなんか問題かよ」

「そうだ。それも二つある」

「うっへ。どっちがいい話かなー、なんて」

「どちらも悪い話だ。残念ながらな」

「ウワーッ聞きたくない! けど聞かなかったらもっとマズい事になるのかね流れ的に」

「察しが良くて助かる。慣れて来たようだな加藤」

「慣れたくなかったけどなチクショウ」

「分かる気がしますね少し」


 遠い目をするジットを他所に、ミスカは指を立てる。


「ではまず一つ目。次元の亀裂を作る事は出来ない」

「いきなりムチャクチャ致命的な話になっておりませんか」

「事実その通りの状況だから仕方あるまい」

「だとしてもちょっと手加減してよぉ」

「状況が好転するなら考慮しよう。今は続けるぞ」

「はい」


 頷いてから、ふと一郎は尋ねた。


「てか、何で出来ないの? 俺の部屋で使ったコンパスあるじゃないか」

「ディバイダだ。あれは開いていた元の穴を広げただけに過ぎない。本部とのリンクがあれば不可能ではないが……現状は無理だ」

「巨人は壊せても空間は壊せないワケね」

「そういう事だ。で、二つ目だが」


 その時、ごう、と。

 ミスカの言葉を遮って、上空を横切る影が一つ。

 恐る恐る見上げれば、そこには新たなグラウカが浮かんでいるではないか。

 しかも、三体。


「……二つ目だが」

「ひょっとして、敵はひとつだけじゃないって言いたかった?」

「その通りだ。良く分かったな」

「そうだろうそうだろうわっはっは」

「ヤケになってませんか加藤さん」

「だってさー。ジットくんさー。こんな状況そうでもしないとやってらんないじゃないか」


 その時、ずん、と。


「歓談するのも結構だが、そろそろ宜しいかね」


 三人の会話へ割り込みながら、三体のグラウカが音立てて着地した。


「あ、はい。何ですか」


 反射的に答えてから、一郎は目を剥いた。


「喋った!? 人が乗ってるの!?」

「そりゃ当然だろう。探索にせよ索敵にせよ、完全自動で出来る筈がない。基本だよ基本。そして」


 がごん、と。

 圧縮空気を排出した後、中央のグラウカの胸部がゆっくりと開く。開いたハッチに足をかけ、パイロットが顔を覗かせる。

 声の通り、パイロットは男だった。

 若く、尊大な。


「キミ達の命運は、今まさに私の、トーリス・ウォルトフの手の中にあるという事だなア!」


 狐。

 トーリス・ウォルトフと名乗る男に関して、一郎が感じた第一印象がそれだった。それも狩りが好きなタイプの。

 服装はミスカともジットともまた違う。身体に密着しながらも、要所をプロテクターで守っている。いわば頑丈なライダースーツと言った具合。

 やや赤みがかった金髪は長く、頬にかかるそれを一筋、右手で弄んでいる。

 緑色をした双眸は切れ長で、見下ろす目にはありありと笑みが浮かぶ。


「あんまり敵対したいタイプじゃあないっぽいな」

「奇遇だな、僕も同意見だ」

「ですねー」

「オイオイオイ! この場でイニシアティブを握っているのは誰だァー!? まだ引き金を引かずにいる慈悲深い私を無視しないで貰いたいものだなあ反逆者ども!」

「いや知らないよ? 何の話反逆って」

「オイオイオイオイ! すぐそこに破壊された私の管理するグラウカが一機! 更に向こうには消息不明になり必死に探していたギガントアーム・ランバ! そしてそれらの近くにいるお前ら三人! これが反逆者でなくてなんなのだね!」

「参りましたね、結構筋が通ってますよ」

「てかランバって言うのか、あのでっけえ刀」

「呑気な事を言ってる場合ではないだろう二人とも」


 言いつつ、ミスカは思考する。このトーリス・ウォルトフなる男、間違いなく今のエルガディア正規軍に属する存在だ。そして恐らく、この森にトーリス以外のエルガディア軍属は居るまい。人員不足はミスカが、引いてはエルガディア・グループが正規軍へ優位を取れる数少ない点の一つだ。

 と、なれば。


「ジット。一つ尋ねるが、キミの仲間が周囲に待機していたりしないか?」

「それは、まあ、居ますけど。多分、今向かって来てるとも思いますけど」


 苦い顔で、ジットは首を振った。


「多分、間に合いませんね」

「どれくらいかかる?」

「あと、五分以上は」

「ハハン! なるほどな。ではここでの尋問は止めにして、手早く移送するようにしてしまおうか」


 耳ざとくやり取りを聞いていたトーリスが指を鳴らせば、彼の乗るグラウカが一歩踏み出す。すると膝部の機構が展開し、現れたのは光る円形のデバイス。良く見れば電子回路のような細かい文様の掘られたそれを、ミスカは忌々しげに見据える。


「キャプチャーか。当然備えてるよな」

「何? なんなのアレ」

「捕獲装置だ。主に人間相手に使われる、な」


 ミスカの説明に合わせ、グラウカの脚部対人キャプチャーユニットから光が伸びる。電子回路のように枝分かれながら伸びるそれは、瞬く間に巨大な籠を形成。一郎達三人へ、巨大な檻となって覆い被さった。


「いきなり、こんな事を! 許されると思ってるんですか!」


 意外にも、最初に食って掛かったのはジットだった。だがトーリスは鼻で笑う。


「オイオイオイオイ! 先に我が国の資産、ギガントアーム・ランバを盗んでいたのはそっちだろ? 私はそれを成した反逆者、ないし反逆者と思しき者どもを現行犯で捕まえただけさ。そもそも先程言った通り、この場で最も被害を受けているのは私だぞ?」


 機能停止したグラウカを悠々と指差すトーリス。忌々しい事に、それ自体は紛れもない事実だった。

 途方に暮れ、一郎は頭をかきむしる。


「こ、これもう一体どうなっちまうんだよ」

「ロクな事にならないだろう。このままではな」

「俺、ただ、業者呼んだだけだったのになあ」

「焦るな。このままでは、と言っただろう」

「それってどうい、う?」


 不意にミスカから投げ渡されたものを、一郎は反射的に受け取る。それは四方を金属で補強された、スマートフォンサイズの透明な一枚板。ミスカがプレートと呼んでいた物品であった。


「何? 何だよコレ」

「持っていてくれ、大事なものだ。それからジットくん」

「は、はい?」

「僕が隙を作る。こんな事を頼むのは心苦しいが、加藤一郎を連れてどうにかキミの仲間と合流してくれ」

「オイオイオイオイ! 中々面白いジョークじゃねえか! この状況で一体どうするつもりなんだア!?」

「勿論。こうやってだ。リミッター解除」


 言うなり、ミスカは構える。右腕、円形のバックラー。

 それ自体が、にわかに光を帯びる。一郎は反射的に手でひさしを作るが、それでも耐えきれないくらいに輝きは強くなり。


「フラッシュブースト……アタック!」


 叫びだけを残し、一郎の視界からミスカが消える。


「え」


 と一郎が三回まばたきする間に、三つの事が起きた。

 一つ目は、キャプチャーユニットが作り上げた檻の消失。ミスカによる跳躍中バックラー打突破砕。

 二つ目は、ジットが一郎へ杖を振りかざした事。魔法行使の予備動作。

 そして三つめは、三体のグラウカの内無人の二体がバランスを崩した事。胸部への強打によるノックバック。


「ほー」


 トーリスは見ていた。地上。激烈な魔力反応と共に飛び上がったミスカが、まず左手のグラウカへ飛び蹴り。反動をそのままに、今度は右手のグラウカへも飛び蹴り。更にその反動で飛んだミスカは、最後の敵機ことトーリスの眼前へ現れた。


「何も出来ないまま、消えろ」


◆ ◆ ◆


 ミスカがそんな啖呵を切る少し前。一郎は、ジットに釣り上げられていた。


「またかー!」


 あぐらをかくような姿勢で、一郎は宙に浮いている。彼を束縛しているのは、ジットの杖先端から放たれた光の網。即ち捕縛魔法であり、サイズこそ違えどグラウカのキャプチャーと同じ代物であった。

 これには重力を低減する魔法も含まれているため、ジットでも一郎を軽々と浮かせて運搬できているという訳だ。


「風船になったみたーい!」

「すみません! ですが今はこれしか方法が無かったので!」

「分かるよ! しょうがないよね! てかムチャクチャ足速いねジットくん!」


 一郎の言葉は比喩でも冗談でもない。目算だが、時速四十キロくらいは出ているのではなかろうか。


「いや良く見たら足動いてない!? 軽く浮いてる!? ホバーな上にクラフトしておられる!?」

「ええ! そういう魔法もあるんです!」


 応じながら、ジットはなお急ぐ。思ったよりは距離を取れたが、それでも稼げる時間はあとどれくらいか。十分? 五分? それ以下か? ギガントアーム警戒のためとはいえ、『船』を遠ざけていたのがここまで裏目に出るとは。

 歯噛みつつ、ジットは振り返る。グラウカと、ミスカが交戦する方向。


「う」

「あ」


 そして、その時。ジットと一郎は、見てしまった。

 トーリスの操縦するグラウカ。その頭部に装備されていたバルカン砲。

 そこから放たれた火線が、ミスカをバラバラに引き裂く一部始終を。


「ミ、っ」


 一郎は、叫んだ。


「ミスカ・フォーセルーーーっ!!!」


 奇妙な、大して知りもしない、けれども自分達の為に戦った男の名を。


「うるさいぞ。そこまで大声出さんでも聞こえる」

「うわビックリした!!!」


 そしてすぐさま返って来た返答に度肝を抜かれた。

 よくよく見れば、どうやら握っているプレートから通信しているらしかった。一郎はすぐさまスマホのように耳へあてる。


「おまっ、オマエ! あれで生きてんのかよ!! てかどっから喋ってんだよ!?」

「……? ああそうか、知らないから勘違いしているんだな。まず僕は、そもそも最初から生きていない」

「はぁ!?」

「エルガディア人には特有の事情があってな。簡単に言えば、このプレートが僕の本体なんだ」

「そうなの!?」

「そうなの。だからそろそろ顔から放してくれると助かるんだがね。暑苦しくて仕方がない」

「え? あ、ああそうか悪い」


 慌ててプレートを顔から放す一郎。反射的に顔が上がる。

 それで、彼は見てしまった。

 トーリスが乗っているグラウカ、その肩部から分離したパーツが四機、こちらへ高速で向かって来るのを。


「なんだ? ドローン? ひょっとしてあれもキャプチャーとかいうヤツ?」

「いや、フェアリーユニットだな。本体を支援する自立タイプの小型機だ」

「主な目的は?」

「それは、恐らく」


 航空力学をおよそ無視した形状の直方体ことフェアリーユニットは、音立てて装甲を展開させる。その中から現れたのは。


「攻撃だな。見ての通り」


 魔力の光を蓄えた、冷徹な銃身であった。


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