第20話 青い音

 12月24日。今日はクリスマス・イブ。

 魔界にもクリスマスは根付いていた。

 サンタクロースのプレゼントと、騒げる口実、恋人にとってのイベント。

 信仰心は欠片もない。それに異教の神の誕生日なんか興味ない。


 というわけで、本日は飲み会である。

 俺たちの活動を報道サロンの報道で知った、怪奇小説愛好家サロンが接触してきたのだが(空想と実体験とはいえ)同じような知識と研究なので、意気投合したのだ。

 それで、親睦を深めるために飲み会が催される事になった。


 あ、そうそう、ジークの事なのだが。

 再三うちに来ないかと誘っていたら、元から入っていたスポーツ系サロンと掛け持ちで在籍―――そういうのは珍しくない―――してくれることになったのだ。

 なので飲み会にも参加である。


 え?ミランダとモーリッツは未成年じゃないかって?

 魔界では0歳児でも普通に酒を飲む奴もいる。

 ミランダなんかは早熟で、普通100000歳(人間で言うと10歳ぐらい)からの幼等部に20000歳(2歳ぐらい)で入っている。

 俺が教育したからだが、それでAクラスの次席なんだから大したものである。

 

 モーリッツに関しては、デコーユ家では長男のモーリッツは大事にされていた。

 大人の会話に混ざれるように、酒に酔いすぎない訓練までされているとのこと。

 だがデコーユ家は長男のモーリッツがうちの分家を継ぐ事になった。

 なので現在、次男こうけいしゃの誕生が待ち望まれているそうである。


 飲み会は向こうの部室で行われる。

 外部からバーテンとシェフを呼んで、準備したのだ。ちなみにメインは酒である。

 特に俺とミランダはこの日は『教え:変化:定命回帰』で普通の体になっておく。

 

 普段は普通に飲み食いできないの?と聞かれたが、俺たちは胃が動いてない。

 だから、腐る前に吐かないといけないと伝えると、さすがに納得してくれた。

 血酒と、血とミックスしたリキュールなどは飲めるのだが………。

 今回はそう言う制約をなしにしようという事で『定命回帰』を使った。


 ちなみに『定命回帰』を使うと、俺は身長180㎝位の青年に変化する。

 本来今ならこうなっている、という外見になるのだ。

 ああ、ミランダはそのままだ。これで大人の姿なのだ。


 飲み会では会話がはずみ、会話がはずむと酒もはずむ。

 久しぶりに食べる料理は美味しく

 大変有意義な時間を過ごせた。

 

 21時すぎ、一体何の話題からそうなったのか覚えてないが、林間公園に行こうという話になった。学内のだだっ広い公園だ。このサロン(E棟-D)とは近い。

 夜間の林間公園は静寂に満ちていた。

 聞こえてくるものも見える者も木々と地面夜空の天蓋だけである。


「何か聞こえる」

 怪奇小説愛好家サロンの一人―――部長のジェイソン=スミスだ―――がそんなことを言いだした。「こっちだ」と言って歩き出す。

 向かう方向は展望台だ。静まり返っている「聞こえる聞こえる」

 ギリシャ風の美麗な展望台に到着。


 怪奇小説愛好家サロンの誰かが言い出した

「これは俺達にオカルトごっこをやれという、邪神のメッセージに違いない」

 確かに、俺達のパーティのシメには丁度いいかもな。

「ベントラ~、ベントラ~」

 酔ったジークが古めかしいUFO召喚の言葉を唱える。


 俺も言ってみた「イアイア、ハスター」

「ふんぐる、ふんぐる」これはミランダ

「ザザ、ルフゥアウ、ダグンラ、スグルオ」怪奇小説愛好家サロンの誰かだ。

 

「こっくりさん、こっくりさん」これはモーリッツだな。古いぞ。

「エンジェルさんエンジェルさん」怪奇小説愛好家サロンの誰かだ。


「聞こえる!」またスミスが叫んだ。

「青い音だ」そういって馬鹿笑いを始める。脳まで酔ったか。

 スミスの笑いがおさまるのを待って、飲み会場ぶしつに戻る。

 笑い合いながら、そこで解散となった。


 ………それが1か月前の事。

 今、俺たちはスミスの葬式に来ていた。

 馬車に轢かれたのだという、スミスの葬式は、家族ではなく学園がやっている。

 家族は葬式をしない方針だったので、外聞を慮り、学園がする事になったようだ。


 参列していた怪奇小説愛好家サロンの皆から、1枚の地図とノートを渡された。

 自分達には何のことか分からないけど、あなた達なら分かるかも、と言われて。

 地図は学園の地図だった。学園の地図の上にはいびつな七芒星が描かれている。

 それぞれの頂点には番号が振ってあった。


 ①展望台 ②サロンCの北のパティオ ③中等部の寮 ④学外ショッピングモール

 ⑤林間公園の湖 ⑥高等部の寮 ⑦学外大通り

 

 このうち学外の大通りはスミスの死んだ場所である。

 高速で馬車が行きかう危険地域だ。

 魔界の馬車は、はねた者を殺す仕様になっているからなおさら危険だ。

 

 なので学外への外出は、警護セキュリティを護衛につけるのが普通だ。

 この学園の警護セキュリティなら、ぶつかった方が死ぬ。

 まあそもそもぶつからないようにしてくれるのだが。


 話が逸れた。ノートの方は、日記のようだった。

 大半のページが破り取られているが、最後のページの殴り書きは残っている。

 

 01/15

 「青い音」だ

 天文台でオレは見た。虚空に浮かぶ骨の塔。

 初等部のリコーダーみたいにあいた穴から青い音がダラダラもれていた。

 虫もいた、車の音もした、救急車も通る。

 虫、虫、虫、サイレン。そして「青い音」がザンブリザンブリ。

 学校はもうすぐ沈む。「青い音」に沈むんだ。う、耳から何かたれてきた。

 明日は図書室に行かないと………。


 これだけじゃ、なんのことか分からないな。日を改めて検証してみよう。

 俺たちは献花をすませて、葬式の会場を後にした。

 葬式は夜だったので、俺たちは自分たちの寮に帰った。


「しかし「青い音」っていうのは何なんだろうな。見える音?音は見えないぞ」

「錯乱していただけじゃないんですか?」

「錯乱でそんなワード出て来るかなぁ」

「まぁ、家の中とかも見してもらお。遺族は寮の片付け学園に一任したみたいだし」

「そうだな、調べるのは明日からだ」


 こうして俺たちは眠り、奇妙な夢を共有する事になった。

 それは異様な曲線と生きた音が存在する青い音の世界であった。

 脳がふるいにかけられるような奇妙な感覚。

 穴の開いた骨の塔、流れ落ちる「青い音」そう、見える音だ。


 朝起きた俺たちは、景気の悪い顔を突き合わせることになった。

「その顔は、嫌ってぐらい「青い音」を「見た」顔か?」

「そうです………あまりに奇妙で頭がおかしくなるかと」

「あたしもー。夢の途中で飛び起きて。ヴァンパイアじゃなかったら吐いてたね」

「ジークも見たかもしれないな、後で確認しておこう」


 早速だがスミスの寮を見に行こう。

 鍵は開いていたので、無断で入らせてもらう。

「おそらく書斎以外は意味がない。『勘』がそう言っている」

「「異論なし」」

 書斎はオカルト関係を中心にした非常に雑多な書物で埋まっている。

 それぞれ思い思いの場所を捜索………俺とミランダがそれらしい物を発見。


 ミランダはメモを見つけてきた。内容は

「デジタルは危険だ、テープ!テープ!テープ」

「博士は戻って来ていない」「見るな!」

「ザザ、ルフゥアウ、タグンラ、スグルオ」

「七芒星はこれでいいはずだ」

 だった。


 俺は、ジョー=プリマス著、「音は見える」を読んでみた。

 音響工学の研究者、ジョー=プリマス博士の著書。

 ホロフォニック理論に基づき、音響反射で物を見る新型ソナーの研究。

 その周辺について語った啓蒙書だった。

 ジョー=プリマスっていう博士が臭い。


「ミランダ、ジョー=プリマスで検索」

「はいはい。この部屋のパソコンは………何かやな感じだね!回避!」

 ミランダのノーパソで、ジョー=プリマスの経歴が見つかった。

 音響工学者で、晩年は「音が見える」などの化学解説書を書いた。

 その後オカルトに傾倒し「波動の六次元世界」で音が生きている世界を発見。

 異次元世界スグルオを発見したと発表。トンデモ大賞を受ける。

 「震動境界線」発売後、失踪。

 一部のオカルト雑誌は異次元生物にアブダクションされたと報じた。


「この人の本は他にあるか?」

「えーとね、はい」

「「波動の六次元世界」と「震動境界線」か………賢魔領の大図書館にあるかな」

「じゃあ、次は図書館だね」


 賢魔領の大図書館にやって来た。

 魔帝書庫には負けるけど―――ぶっちゃけここで無かったらそっちに行く―――素晴らしい蔵書量を誇っている。賢魔のプライドだな。

 中に入り、散会。

 俺とモーリッツは目的の物を、ミランダは何か変な本を取って来た。


 まず「波動の六次元世界」

 著者は隠された異次元ゲートを発見し、「音響生命体」の住む第六世界にコンタクトする事に成功した。

 「門」の開門の呪文は「ザザ、ルフゥアウ、タグンラ、スグルオ」である。

 これを七芒星の門で順番に唱えれば「青い世界」への門が開くが、どの順番でどこで唱えればいいのかは書いていない。


 次に「震動境界線」

 七芒星は、スミスが調べていたあの地図の、場所と順番で良さそうだと分かった。

 ただし開門の呪文は「音響生命体」の注意を引く。

 なので、防衛のために「神秘の螺旋」を鍛えておかねばならない。

 また、7つの呪文は12時間以内に唱えなくては、門は開かない。

 いったん開いた門はすぐさま消滅するが、スグルオ側では1回で開く。

 スグルオの青い音に関しては、ノイズジェネレーターが有効だという。


 最後に「神秘の螺旋」

 こういうのを選んでくるあたり、ミランダだなと思う。

 邪悪から身を守るチャクラの訓練方法が書かれている。

 その1:時計回りに回転し螺旋を動かす

 その2:背骨を積み上げ、天地を結ぶ

 その3:ブリッジとV字腹筋で、前後の筋を柔軟に

 その4:全身を蛇のようにくねらせる

 その5:蓮華の座にあぐらをして、呼吸を整える

 ………である。一応このあとやっとくか?


 図書館内のパソコンで、またジョー=プリマスに関する検索をする。

 ワードを変えて何度も探していたら、パソコンからダラダラと「青い音」がにじみ出してきた。音のような、ジェルのような………。

 即座に電源を落として他のブースに行く。すまん、図書館の人。

 

 やっとジョー=プリマス博士の個人サイトが出てきた。

 

 このサイトは危険です。

 音響生命体の監視を避けるため、リロードは禁止。

 アクセス時間は20分以内に限定してください。

 もしも「青い音」が聞こえたら、パソコンの電源を落としてください。

 そして、出来るだけ早くその場を離れて、高い場所に移動してください。

 Yes No


 奇妙なBeep音。

 そして画像が始まる。

 おそらく固定された三脚に乗ったビデオカメラのものだ。

 画像の中央にジョー=プリマス博士が写っている。

 片目になり、おかしな銃のような電子装置を持った博士の姿は特撮番組のようだ。

 その背後に見えるのは非常に奇妙な光景だ。

 青い海の中に骨のような巨大な塔が経っている。

 その塔にはまるでリコーダーか何かの様に奇妙な円形の穴が空いている。

 その穴からはねっとりした青い何かが流れ出している。


 「すでに爆薬は運び込んだ。

 私はこれから彼らと最後の戦いに出かける。

 ああ、私が間違っていた。

 六次元の彼方にあったのは未来なんかじゃなかった。

 あの骨の笛を爆破すれば、奴らと魔界の間を閉ざす事ができるはずだ。

 もし、私が戻らないまま、この映像を見たならば、後を頼む。

 門の側に予備のノイズ・ジェネレーターと爆破装置を隠しておく。

 この画像が無駄に終わる事を祈る」


 画面はそこで終わった。


「アクセスを終了してください」

 メッセージを読み切る前に、どこかのポータルサイトに飛ばされていた。

 戻るボタンは効かなかった。手の込んだジョーク?

 いや、今は分かる、あの海は「青い音」だ。そして博士は戻らなかったのだ。


「決まりだな、スミスは博士の後を引き継ごうとして、あの大通りで呪文を唱えた。だが不運にも呪文を唱えてる間に馬車にはねられたんだ。セキュリティを同行させとけば良かったのに………」

「僕たちも呪文を唱えて回りますか?」

「ノイズ・ジェネレーターとダイナマイトを準備してな。

 博士は隠しておくと言ってたが、向こうに見つかってない保証がない。

 権魔領に飛んで、サウザンドの店で買うぞ」


 俺は2人を連れてマモン領(賢魔領)の「サウザンドの店」に『テレポート』した。

 ここは何でもそろう。店主の「サウザンド」に言えば一発だ。

 サウザンドは1000人いると言われ、あちこちに店を展開している謎の商人だ。

 だが陛下からも認められ、大半の上流階級は彼を贔屓にする。


「サウザンド」

「いやー、大公様やないですか。今日は何をお望みでっか?」

「ノイズ・ジェネレーター3個。強力な奴。

 それとダイナマイトを………でかい塔を壊せるぐらいくれ。起爆装置付きで」

「はいはいー!塔は石造りでっか?」

「いや………未知の物質だ」

「はぁー!それやったらオマケしておきますわ!」

 サウザンドはご丁寧に、バックパックに品物を詰めてくれた。俺が背負う。


「よし、①から順番に呪文を唱えて回ろう。ああ、ジークも呼ぶか?」

「いえ、ジーク先輩に説明するのが困難なのでいいのでは?」

「人数いたからっていい事はなさそうだよ?」

「そうか、じゃあ、今回はお休みしててもらおう」


 俺たちは七芒星の①から巡る事にした。

 ①は、オカルトごっこをしたあの展望台だ。

「ザザ、ルフゥアウ、タグンラ、スグルオ!」

 呪文を唱えると、第2の場所に惹かれているような気分になった。

 林間公園の中に、そびえたつ骨の笛の姿を見たような気がする。


 ②はここから結構離れている。サロンC棟の北にあるパティオである。

 このパティオには、大きなアクアリウムがあり、常時水が流れている。

 そして、前庭のパティオはすり鉢の底のようだ。

 最初は普通のアクアリウムだったが、次第に流水に乗り「青い音」が流れて来る。

 ここが「水没」するのは遠くないだろう。俺達は慌てて呪文を唱えた。

「ザザ、ルフゥアウ、タグンラ、スグルオ!」

「よし、離脱!」


 ③は中等部の宿舎だ。

 宿舎の端の方、クラスの低い生徒が住んでいる辺りに辿り着く。

 ここは、すでに「青い音」の浸食が始まっているようだ。

 階段やポーチに「青い音」が溜まっているのが見える。

 住人の耳からは「青い音」が垂れ流されている。

 早く、骨の塔を壊してやらないと不憫だな(悪魔らしくない?いいじゃないか)

 「ザザ、ルフゥアウ、タグンラ、スグルオ!」


 ④学校を出て、ショッピングモールの端。馬の店だ。

 すでに「青い音」の浅瀬に沈んでいる。嫌々内部に踏み込み呪文を唱える。

 「ザザ、ルフゥアウ、タグンラ、スグルオ!」

 「青い音」靴から振り払い、店を出た。


 ⑤林間公園の湖(湖開きした湖の半分ぐらいの大きさ)が次のポイントだ。

 夏以外は止まっているはずの滝から、「青い音」が流れてきている。

 慌てて呪文を唱えた「ザザ、ルフゥアウ、タグンラ、スグルオ!」


 ⑥高等部の宿舎のど真ん中である。

 状況は③の宿舎で見たものと変わらない。早く何とかしないと………。


 ⑦ここだけ飛び出したかのように、学園から離れている。

 交通量(馬車)の多い道路だ。

 前にも言ったが、魔界の馬車は引いたやつを殺す前提で作られている。

 道路わきに溜まっている小悪魔の耳からは、既に「青い音」が垂れ流されている。

「俺が結界を張って馬車を防ぐから、呪文を頼む!」

「はい、先輩!」


 1瞬だけ、「スグルオ」への門が開く。俺たちは迷わず飛び込んだ。


 青い、青い、青い音が満ちている。

 骨の笛のような塔から、粘り気のある音が這い出して来る。

 ゲートのすぐ脇には異形の機械と、爆破装置が転がっていた。

 折角なのでこれも使わせてもらおう。


 ノイズ・ジェネレーターはこちらのものより強力そうだ。

 ノイズ・ジェネレーターを起動させると、憎悪のこもった低周波と、ザワザワする蠢動が伝わって来る。恐らくやつらの「悲鳴」だ。

「青い音」がはじけ、骨の塔目がけて飛び去って行く。


「多分、あまり長い事は持たないぞ1時間を目休に行動だ」

 骨の塔に入ると「助けてくれ、誰か………」上の階から、苦痛に満ちた赤い音が流れてくる。紅い音は血のようにして階段にしたたっている。

 急いではいたが、今のは映像にあった博士の声だ。

 階段を上っていくと「青い音」に捕らえられ、「赤い音」として、奇妙なエンドレステープとして苦痛と共に再生される博士の遺体を発見する。

 「助けてくれ」と言われたからには、戒律上助けないわけにはいかない。

 「青い音」から音波攻撃がきたが、結界で吹き散らす。

 博士の遺体とテープ(多分魂)を確保した。


 その後順調にダイナマイトを仕掛け終わる。

 ダイナマイトの爆発は、間欠泉か竜巻のように、「青い音」の岸辺に轟いた。

 音なのか土砂なのか分からない何かが、奇妙な角度の骨の笛の塔を吹き抜ける。

 開いた穴から、緑黒い血液のような、粘液と触手の中間ぐらいの物質が噴出する。

 同時に異臭の漂う空気が結晶化した様にバリバリと割れ、ひびが世界に広がった。

 それは泥臭い色をねばつかせながら、散らかる。

 また骨の笛が倒れるにつれまるで渦を巻くようにのたくり、灰色に混濁した。

 俺たちは、青い津波が押し寄せる前に呪文を唱え、外に飛び出した。


 いきなり、目の前に馬車が出現したので、全員を結界で守る。

 アレはどうなったのだろうか?

 うまく倒す事ができただろうか?

 おそらく、今ここに戻れていることが唯一の答えだ。

 たぶん、たぶん勝ったのだ。もちろん「音の巣」はここだけではないだろう。

 やがで、どこかで第2のスミスが現れるかもしれない。

 だが、今は終わりにしよう。


 姉ちゃんに呼びかけると、開いた異空間の扉に全員で入る。

 そこは異空間病院だった。博士を姉ちゃんに預ける。

 俺達も入院だ、あれを見続けていた間、知らない間に正気が蝕まれていた。

 

 もう一度言おう。「今は、終わりにしよう」

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