群青

 僕らは朝顔を待っている。駐車場の車止めに座ると、水溜まりに半端な形の月が映っていた。フェンスの朝顔は隣家の物だけど、全部がこちらを向いている。縁側に座る彼女もこちらを見ていた。朝顔が開いたら、僕が一輪摘んで彼女に渡すのが日課だ。まだ話したことはない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る