水色のオオカミ

@S__888

水色のオオカミ

銀の矢と神鏡

やさしい祝詞は

子供たちへ注がれる 晴れの歌


三と五と七に呪縛された子らは

果たして今ここで

受肉する精霊



山肌は赤く

町は金色

子らの纏う白銀に映えて

たどり着く海は 群青に溶ける


ほら オオカミが駈け下りる

ざかざか ざかざか

耶麻から海未へ

源泉を背負い 彼方を臨んで

端境に泣いても

目くじらを立てる事もなく


笑う子らの 裸の肩に

「汝 産まれし時を 埋めて斎せよ

生めて研きせよ」


からかいながら

笑いながら

ざかざか ざかざか

オオカミは駈け行く


堕天した子らの 美味し幸いを

混沌の神と 謡うために

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

水色のオオカミ @S__888

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ