第12話

「謝罪あってこそでしょ!物あげて、はい終わりってならないでしょ!!ゲームでも現実でも一緒ですよ!楓さん!はぁ・・・まあこう言った場合は補償として運営からプレゼントをしております。そのプレイヤーの進捗状況によって変わるのですが、フィリア様はまだ初めて間もないので、ゲーム内の装備やアイテムですと折角の序盤の楽しみを損なってしまいますので、アバターとサブペットを贈呈しようかと思います。」


「アバターとサブペットですか・・?」


「アバターとはキャラの外見を変更できるものでこの場合はそうですねぇ・・浮きすぎても困ると思うのでアクセサリー系のアバターになると思います。複数の候補から選べる箱をお送りします。サブペットは本来パッチ3で実装されたペットがいるのですが、パッチ3の『飛鳥白鵬』以降で飼えるようになって飼葉や餌が必要になります。あとペットも攻撃してくれるので、そうなるとゲームバランスがおかしくなってしまうので、アバターと同じようにマスコットのペットにしようかと思います。こちらも併せて内容を選べる箱を配布いたします。信頼度だけは反映されますのでいつの日かフィリア様がそのパッチまで追いつければサブから昇格して本来のペットになると思います。是非そこまで進めていただくことを切に願います。」


「ペットはいいぞぉ!うちの晴虎ちゃんは愛でてよし、攻撃させてもよしで下手なP Tメンバーより優秀なんだぜ!今日は連れてきてないけどな・・・・」


「また構いすぎてペナルティ食らったんですか・・・変わらないですねぇ・・・フィリア様ペットは構い過ぎて長時間それ以外しなくなると運営からペナルティが来ます。ペット自体もA Iが入っており非常に柔軟な対応をしてくれますが、お互いが強依存になってしまうと本来のゲームの趣旨と変わってしまうので、距離と時間を設けるように罰則が設けられてますが・・・そうそう来ないんですけどねぇ・・・ただでさえ楓さんエンドユーザーでしょう・・・どこでそんな構ってるんですか?謎でしか・・」


「そりゃぁ愛があったら寝る時間なんてなぁ!!!ガハハハ」


「「寝ましょうよ・・・」」


「と。こう言った現実を削ってまでのプレイは本来こちら側の求めている趣旨とは離れてしまっております。現実を忘れずにしてください。特に学生の方は限度を超えると制限が色々と生まれますので本当にしっかりと管理をするようにしてくださいね。さて、チュートリアルも一応終わっており、本日のサービスはここまでとなります。現在のパッチは4、フィリア様にとって4まで来るには長い長い旅になると思います。国の興りや種族の問題、敵について様々な物語を体験されるかと思います。是非小説を読むように楽しんで頂ければと思います。また何度も言いますがゲームはゲームとなります。必ず現実を省みるようにして下さい。人生はゲームと違い繰り返せはできません。良い幸多い人生を我々一同願っております。」


「嬢ちゃん困ったら首都の四絢にある桜花狂乱っていうクランで楓って呼んでくれればすぐ出てくるからよ!困ってなくても来てくれていいぜ!」


「はい!短い時間でしたけど色々と勉強になりました!友達と一緒にやって成長した際には伺わせて頂ければと思います。本当にありがとうございました!」


朗らかな笑顔でそう言った後、八重桜はP Tを解消して消えていくのであった。


「お嬢ちゃん、この後ギフトボックスに運営からのお詫びって題目で添付が来るからちゃんと取っておくんだぜ?忘れると期限付きだから受け取りする前に消える可能性があるからなぁ」


「そうなんですね!教えていただいて良かったです。友達が既に初めているんですがこの時間はできなかったので、不安だったんですが・・安心しました」



「なら良かったぜぇ!後はそうだなぁ、ゲーム自体はどんなものか知ってるとは思うんだが、さっき八重さんが言っていた様にこのゲームはパッチというバージョンアップを経て時代が経過する様になってる。んで新規が入った場合は最新パッチにポンって降り立つんじゃなくて、始まりから参加する事になる。んで軽くネタバレするとお嬢ちゃんの種族とジョブはパッチ更新毎にジョブと種族が追加されてく仕様でな、もし自分のプレイと合わなかったら変えてくのをお勧めするぜ!」


「そうなんですね!逆に良かったです・・急に途中から入って強い方ばかりだとどうしようって思ってたんで・・ジョブや種族も増えてるんですね・・確かにたまにキャラクリエイトで見たことがない方がチラホラいらっしゃいましたがそういうことだったんですね。」


「おうよ!初めは4種だったのが徐々に増えて今って感じだな。ただゲームでは一般的な魔法職が今の所いないだろ?次のパッチではてっきり魔法職の種族が実装されると思ってたんだが。八重さんが妙な爆弾落としてくれたおかげで聞きそびれたし、検証もできなかったわ・・・」


「そういえばそうですね!私魔法系が好きでいないからとりあえずそれっぽい、この子にしたんですがもし次実装されるなら頑張って追いつきます!!」


「おー!その息だぜ!八重さんのやろうこうやって追いつきたいプレイヤーいるのに自分の休み欲しさにおっ始めようとしやがったからなぁ・・・まあいい様だったがなぁガハハハハハ」


「仰ってましたね!私利私欲になってますけど大丈夫だったんですか・・?」


「基本的にこの会社は大らかだから小言言われたくらいじゃねーかなぁ?まあこのゲームは自由だからなぁ。嬢ちゃんも折角だから現実で自分が将来やりたいこと、興味があることを試してみるといいぜ?パッチに追いつけるとコンテンツがどんどん増えていくから、その時に解放されたコンテンツで興味があるものをやってみるといいさ。料理とか神がかっててやばいぜ?運営のコンテンツを作る側に星を取ってたり繁盛店でやってた人が完全監修してるから専門学校より内容がレベル高いしなぁ。家でご両親に作ったりとか良さそうだぜ?」


「ゆーちゃん、友達から伺ってます!料理はお菓子ならあるんですがちゃんとした料理って食べたことはあっても中々プロの方のは見ることもないので勉強になると思って、私も始めましたので!」


「お!いいねぇ後は海外の言葉や株、1次生産もある上に全部プロがついてるからなぁ。いい勉強になるぜぇ!俺も株をここで教えて貰ってうまく転がしてたら、働く必要がなくなったからなぁ!おかげで毎日ログインできるから楽しいぜ!」


「そ・・・それはめちゃくちゃ羨ましいです!夢見たいですね・・・」

「まあここまで来るまでに色々あったんだがな、結果として良かったわ・・・、っとさてお嬢ちゃんの時間をこのまま奪っても悪いしな!解散としようか!ゆっくりでいいからゲーム続けてくれよな!」


「はい!何から何までありがとうございました!」

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