第9話
「わわわ、話してる間にすごい数の髑髏で青くて黒いマーチングバンドさんたちがぐるっと・・・すごいですね・・・もはや圧巻ですね。すごいスキルですけどあれは運営の方限定のスキルなんでしょうか?」
「そうそう。確か各個人がワンオーダーで頼めるスキルだったはずかな?ただ、ゆくゆくは実装される可能性があるスキルを当てはめてだった気がする。ただスキル名だけは自由につけれるとかで八重さんは洋楽だったかなぁ・・・社長さんも洋楽だった気がする。役職によって効果は違うはずだから八重さんのだと大したことねーぞ?ちょっとバフデバフ装備値が全部フラットに強制的にされるだけだぜ?」
「ええええ、その状態で一方的に殴る感じですか・・・?それはちょっと・・・やりすぎたとはいえ・・・」
「違う違う!全員だよ。全員。八重さん自身も効果範囲だぜ」
「えええ!?それは逆になんでまた・・・あれ・・でもこの場合どうなんでしょう。公平だけれど・・・?」
「そうそう。これから行われるのは単純にいうとPVP、対人戦だな。簡単にいうと性能が似てる格ゲーが始まる感じだな。確か本来なら無い物理判定が生まれて格闘ゲームになるはずだぜ。これがまた泥試合で面白いのよ!」
と、さも愉快そうに楓が豪快に笑いながら説明をする。
固有スキルや刑獄の内容は各担当に裁量が任されており、どういったコンセプトにするかも本人の希望を汲んで開発が仕様を起こして、今後の実装を踏まえた上でコンセプトモデルとして運営キャラを作成する。なので極端な話で明らかにRMTという犯罪行為をしている場合は問答無用で処刑ができる仕様も中にはいる。サポート係というライトな窓口と、コンセプトとしては補助が目的ということで鏑木は、少し特殊な仕様を進言した。それは「全てを曝け出す」というコンセプト。純粋に技量があれば運営も負ける場合がある条件である「公明正大」をテーマに装備、レベルの補正を無しにする。純粋にプレイヤーの力量だけで戦う物にした。勿論キャラのプレイ時間自体での差がある為、さらに術者本人にはハンデキャップが施される仕様になっている。鏑木の目的はあくまでもサポート係しての職務としての立ち振る舞いを第一に考え、かつ相手の成長を期待しての仕様にした。
それは自分の年齢からか迷う若人を少しでもより良い未来に繋がってほしいという願望の結果なのだろう。
「格ゲーって…急にすごい変わりますね…でも格ゲーしたとしてどうなるんですか?」
「おーこれが面白くてさ。仮にこの場合あの罰せられる側が八重さんに勝った場合はほぼ大体が不問にされる。まあ一応指導要請は未成年の場合は行くがな。成人の場合は制限と監視がある程度の期間が着くくらいになる。なので執行される側は本気でやらないとえらい目になる瀬戸際だから超必死だよな!これは八重さん仕様だから他の担当さんは違かったはずだぜ。あまり人前でやらない担当が多いしな。分かってるのは染井芳乃さんの説教ゾーンくらいかなぁ…俺ぁあっちの方が嫌すぎるが…」
「ほぇー、キャラによって変わるんですね…必死な相手と対戦てすごい自信家なんですか?すごい性格悪い感じがしますが…」
「ガハハハ!そう思うよなぁ…ただ八重さん面白いのが八重さん死ぬほど対人格ゲー苦手なんだよなぁ!!笑うよな!!」
「はぁ…ってえええ!?大丈夫なんですかそれ…」
「まあ見てみればわかるよ。八重さん自身のプレイヤースキルは俺らエンド勢に比べれば全然ちがう。ただそれでも八重さんが俺らエンド勢に認められるのは只々直向きさと考え方が気持ちがいいからなんだぜ。さあ始まるぜ!」
二人が視線を向けた先で各々が戦闘スタンバイのモードに切り替わる。
「今説明した様に、今ここで私をこのフィールドで倒すことができれば君の所業への罰則は最大限軽減される。キャラ性能差は0になりこちら側はハンディキャップがありダメージが半分。HPも半分。まあ簡単にいうとそちら側は数発当たれば勝ち。簡単でしょう?そしてこれから10分間ほどそちらは動作確認ができる。さあ動作確認をしてください。」
「なんだよ急に?!まあいいや勝てば良いんだろ勝てば?操作も良くある対戦と一緒で技表まで横に出してくれるんだから余裕だぜ?今すぐやってやっても良いんだぜ!」
「すごいなぁ・・・その自信・・・若い頃の自分にわけてあげたいくらいの自信・・・・はぁ止めよう・・死にたくなるし・・・さてでは始めますか」
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