最初から最後まで大変『COOL!』な物語でした。樹影の渋さとリノウの透明さ、特にリノウはガラスの質感から曲線と変形による鋭利さの表現まで、タイトルに並ぶ言葉をこれでもかというくらいしっくりくる使い方をされていて感服です。お酒や煙草のハードボイルドアイテムが樹影の渋さの演出にとどまらずきちんと意味を持っていたり、リノウの思考パターンの“らしさ”も随所に光っていたり。私も普段SFをよく書くので、機械(と硝子生命体は必ずしも=でないと読みましたが)とヒトの書き分けについては参考になるものがありました。セリフ一つで揺れるし、語らない部分が語られるようで。構成もよく練ってあると感じました。スピード感があるのに含みがあってしっかりと獲得していく。お互いの何割かしか知らなかった二人が多少なりとも何かを失い、けれどもよきバディとしてより輝くかけがえのない何かを手に入れたようでした。
最後にタイトルを二人の通り名にしていただけたのがとても嬉しいですね。末永く宇宙の果てまでその名を轟かせてほしいです。
大変遅くなり申し訳ありません。この度は自主企画にご参加いただきありがとうございました。
作者からの返信
恐縮です。
この話は、全体的に、森博嗣先生のWシリーズという作品群を参考に描いたものです。
私は森博嗣先生の年来のファンなので、あの世界を自分でも書いてみたいな、という欲望に抗しきれずに、今回、この自主企画という機会を得て、書かせていただいた次第です。
そのため、「サブセット」という言葉や、スピード感、台詞回し等々にその影響が表れております。
ただ、むろん、キャラクタ造形やストーリーラインは私が作ったものでございます。
SFらしさって何かと考えて、その辺は構築いたしました。
それは「わけのわからなさ」だったり、「わからないけど、こういうことなんだ」みたいな感覚だったりします。
何だかSFでなくてもそれはあるだろう、と思われるかもしれませんが、私にとっては、時間旅行なり宇宙航行なりする人達を見ると、どうしてもそういう「感じ」を抱いてしまうのです。
……そういうのを、格好よく書けば、自分もまた「SFを書く」ができるのではないか、という試みが拙作です。
何だかお返事になっていないようですみません。
いただいたコメントを読むと、そういうところを述べた方が良いと思いまして、こうして拙文を書いております。
何というか、その、自分でも言葉にできなかった部分まで掘り起こして、kinomiさまがコメントにしていただいておられるので、いちいち「うんうん、そういうことなんだよ!」とうなずいておりましたので。
このような素敵な自主企画、あるいは「お題」をいただいて、こちらこそありがとうございます。
おかげさまで良い体験ができました。
ありがとうございました!
篭鶴瓶と剣豪をさり気なく放り込んでくるところに作者さまの「らしさ」が跳ね上がり、新感覚のSFでも十分に読み応えのある仕上がりとなっていました。特に舌と舌が絡み合うシーンは胸熱です。こういう表現を善しとしないタイプかなと思っていたのですが、昔から「好きだよ」と言わんばかりの綺麗な描写に興奮しました。
とても面白かったです★★★
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
SFという、ある意味、欧米な雰囲気の中に、和風ド真ん中なものを放り投げると、面白いんじゃないかと思いまして……^^;
ちょっとやってみました(笑)
「舌」のシーン、バレましたか……^^;
まあ私が「そういうの」をやっても、あまり需要が無いというか、他の方々の「そういうの」の方が「来る」と思いますので、ここぞという時にやるようにしています(笑)
興奮していただいて、嬉しい限りです^^;
ありがとうございました!
ひゅー。
おっと、これ以上はやめておきます。
作られしものが意志を持って目的を見出す。
樹影とリノウは人になったんですね。
新境地の作品面白かったです。
もうちょっと尺を取って世界観を描いても良かったかも。自主企画には長くなり過ぎちゃうか。
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
ゴリラみたいな筋肉とか、とぼけた表情とかさせたら、ちょっと「かぶっちゃう」ので、何か冷めた感じにしちゃいました。ひゅー。
何だかこういう、SFまっしぐらというか、人とか機械とか、そういうアレを書きたくて書いてしまいました^^;
自主企画って、長編も可ですけど、そうすると何か「浮いちゃう」気がしそうなので、なるべく短編で参加することにしています。
でも、こういう世界観だと、たしかにちょっと尺がアレですね……むつかしいところです^^;
ありがとうございました。
こんにちは、御作を読みました。
樹影、リノウ共に名前に意味があり、張り巡らされた伏線が一気に回収される終盤の展開が圧巻でした。
序盤から二人が対照的に描かれていたのも、考えてみれば当然というか、意味があったんだなあ。面白かったです!
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
自主企画「同題異話」という企画がありまして……これの7月のお題が「逆光の樹影、ガラスのリノウ」と提示された時、こんな感じで行くか、と思った内容でございます^^;
歴史ものでないため、大筋も自分で考えないといけない(笑)ので、苦労しました。伏線やら設定やら……^^;
そんなわけで、お褒めいただき、「面白かった」とおっしゃっていただき、嬉しい限りです!
ありがとうございました。
「機械の躰が歩き、飛び交う世の中」で、着流し&日本刀やリボルバー式拳銃というのは浪漫ですね^^
このお話の「着流し」は硝子生命体ですから少々事情は異なりますが、自らの意思で選んだ「時代遅れ(オールドファッション)」もいるんだろうなあと思うと、なにやら滾るものがあります(笑)
別の角度、別のキャラクターから、この世界をもっと見たいですね。宇宙海賊(ヒューッ!)になった二人もチラッと出てきたりして^^
楽しかったです!
作者からの返信
機械の躰、着流し、日本刀、リボルバー式拳銃。
何というか、吾妻さんのコメントにありましたとおり、「コブラ」とか、あとは「銃夢」みたいな世界観の話って、憧れがあるので、それをやってみたかったんです(笑)
着流しさんは、サムライを目指していた男だと思います。
でもなぜか鎧兜や羽織袴じゃなくて着流し^^;
そして日本刀も、歌舞伎に出て来る刀を使っているし、江戸っていう空気を大事にしていたんでしょう。
うん、確かに、滾るかも(笑)
樹影とリノウは宇宙へと旅立ち、ひょっとすると、コブラとレディみたいになったりして……と私も妄想しております^^;
ありがとうございました!