第十二刃余興の終わり、咆哮の始まり②
大噛正矢が、その真実を垣間見た。
「お前の異能は元々、
緋走の右腕が黒く伸びる、ただ伸びるだけではない、後漢の学者・王符の記述を基本とした通念では、頭はラクダ、目は鬼、一説には兎、角は鹿、首、蛇、腹は蜃、蜃気楼の源とされた竜の一種、鱗は魚、鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛といったように、九つの生物の特徴を併せ持つ九似説があり、龍が飛び出た。
大噛正矢はそれを真っ向から踵落としで、龍の脳天を直撃して、地面へと陥没させた。
その
即座に死骸となったそれから飛び出した。
そして、延髄斬りというのをする。
決まれば致命傷は致死量に達するだろう。
そして、龍の死骸から刃の頭の蛇が出る。
九本の首、ギリシャ神話ではヤマタノオロチと比較神話学もされるヒュドラであった。
その貫かれる刃を横から殴り、砕く。
九本のヒュドラの首を
大噛正矢はこの間、息を乱してなどいない。
八咫烏、三本足の鴉が彼に飛んできた。
それは次の瞬間、毒を持つ小さなヒョウモンダコという生物へと変貌を遂げた。
「
大噛正矢はそれを地面から突如沢山生えた無数の狼の牙によって貪り食らい終えた。
緋走はそれに対してこう感想を言う。
「人の褌で相撲を取るのも楽しいな」
緋走は吸血さえすればその人間の頭脳、知識、能力を
本質的に吸血鬼と同類の緋走はいつの間にか大噛正矢の血液を吸血した、それはどんなに時間が変わろうと、彼を蝕む呪いであった。
あらゆる創作物より大噛正矢の
所詮は付け焼き刃とも言えよう。
そんな話はなく、似て非なるというだけだ。
その次にドロップキックが緋走にされて、大噛正矢はドロップキックをしてそのまま倒れる前、両腕を先に地面に当てて、また飛び上がり、そのままマウント体勢に落ちた。
新体操のような空中きりもみ回転だった。
「さぁて、バッドエンドの時間だぜ?」
緋走、万事休す。
「おあえっ」
緋走は自らの舌を完全といかないまでに自ら噛み千切る、流血が喉に逆流していっている、口内に溜まり、それは鉄の玉になる。
大噛正矢の余裕が少し顔から消えていった。
「生体磁気、磁界、異常磁場発生、てめえ!まさかまさか!あれをやるつもりかよ!」
武士道とは死ぬことと見つけたり、その言葉の意味は限界まで死を欲し、活路を求める、即ち、九死に一生を得るお話だろう。
違う、だが、これで勝利の布石は置かれた。
「
それは誰もが青褪める裏の必殺技である。
人間の口内から弾丸が発射された。
「暗器‥‥‥」
鬼亜はただ、そう答えを言うしかなかった。
マウントされて、それが出来るのは異常極まる、それにさえ反応した大噛正矢だった。
「俺に勝利したいならしっかり拳を使えや」
彼はそう言って憚らない。それが裏社会の真理であり、緋走はその怪力を全解放した。
「
鬼神めいた一発が大噛正矢の右頬に当たる。
それでも彼は反しに彼の左頬に当てた。
「まだまだ、こんなもんじゃないよな?」
戦いはまだ、続く。
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