第十刃忌むべき魔性の正体


その惨状で死龍だけは笑みを見せる。


「おっきいゴリラのぬいぐるみだ」


そう、それはありきたりではない緋走の親父のような大きなゴリラのぬいぐるみだった。


えてしてそれは時に動物園の売店でも売られているだろう、それは呪物、魔導具だ。


「何がお前の親父だよ!?」


羽影がその真体に眼をごしごしして言う。


死龍がその二の句を告げる。


「僕へのプレゼントなんだね!」


それを聞いた暗黒院邪暗は疑問を吐露した。


「不倫!?浮気!?いつからだよ!お前の所有する全ての携帯電話を見聞し直すか?」


緋走の携帯電話は見られれば全てが破綻する白昼夢の一念発起、忌避は正解か、不正解か不明だった。常時、持てば良いお話だ。


「ジャスト一分だ、夢は見れたかよ?と誰に言うべきだったか、言わぬが花だった」


緋走は闇が根深い苦笑いをして言い終えた。





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