第6話 ホッパー死す
三日後、抗争は終結した。ホッパーの死亡である。
「死んだ、何で? えっ腹上死って嘘だろう。だって如月は本部で死んだのだろ。」
「父さん、腹上死について誤解しているよ。全部が全部女性の上で死ぬのが腹上死ってわけじゃないよ。それどころか行為の後に亡くなるケースの方が圧倒的に多いらしい。時間差で死ぬことは珍しくないそうだ。だから如月がエクリプスベースに戻ってから死んだってわけだよ。不思議でも何でもない。」
「どうする?唯一のシュピーゲルの適合者だぞ、ジョッター壊滅まであと一歩というところで大打撃だ。」
エクリプス本部で畑中平吉は頭を抱えた。彼は作戦本部長で傍らには副官で息子の大作がいる。
「だから言わんこっちゃない、俺は口を酸っぱくして如月に言ったんだよ。お仕置きは程々にしろって、大作、これはお前の監督不行き届きでもあるぞ。」
「ここ最近の如月は結構追い詰められていたたからね、得意のお仕置きも通じなくなってきたし、あいつ血管拡張剤や興奮剤をこっそり服用していたみたいで、それも人間じゃなくて動物専用の強烈なやつを、内臓にかなり負担がかかっていたみたいだよ。」
副官大作はあくまで他人事のように語った。
‥‥ン‥‥ンン? どこだ? ここって、なんか変な感じだな。
あ、俺って誰だっけ? えぇっと、キサラギ何だった? 違う。
それじゃなかった。そうだ、俺はジャスティス・ホッパー‥‥‥そうじゃない。
そうじゃないだろ、俺はシュピーゲル。思い出した。
にしてもここはどこだ? 真っ暗だ。フワフワしているぞここは、
宇宙空間によく似ている。
ん、宇宙だぁ? なぜ俺は宇宙を知っている?
‥‥あぁ、思い出したぞ、キサラギはもう限界だった。
何をとち狂ったのか奴は自分で自分の命を縮めていた。
俺の仕組んだプログラムは確か意識は宿主のままで運用するが、生命の危機に際しては自動的に俺が覚醒する仕様だった。
キサラギの死期が近いことを察知して俺は次なる宿主に移行したのだ。
そうだ、俺はママンダーとか言う女の胎児と同化した。
俺は彼女の腹の中だ。ありがたいことにこの胎児のDNA情報はキサラギと酷似しているので同化はことのほか楽だった。
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